Dark Souls I, IIとプレイしてきたが、Ⅲのレベルデザインは際立っている。
考えてプレイすればギリギリで攻略できるような作りこみで、ゲームに慣れても飽きがなかなか来ない。だから何度も新キャラクターを作ったり周回を重ねて遊びたくなる。強力なボスキャラに打ち勝った後の達成感は、最近のゲームでは随一であると思う。

もちろん、敵キャラクターとステージのデザインも素晴らしい。
ネタバレを気にしなければ、公式サイトのギャラリーでアートワークやスクリーンショットを見てみると良い。敵の恐ろしさの片鱗を味わうことができる。
冷たい谷のイルシールでは、Dark Souls無印で初めてアノール・ロンドに到達したときのような感覚を得るだろう。見た目は神秘的だが入ってみると厭らしいまでの敵の配置、複雑に入り組んだマップがプレイヤーを迎えてくれる。
グラフィック的にも進化がみられる。特に遠景はシリーズ通して見どころだが、今作はピカイチだ。至る所で「絶景」のメッセージが書き込まれている。

ストーリーはというと、Soulsシリーズには明確なものはあってないようなものであり、今作が初めての人にも十分楽しめるだろう。しかし、無印をプレイ済みの人にとっては嬉しい(哀しい)出来事がいっぱいあるので、プレイしている方が楽しめる(絶望できる)はずだ。

システム面にも改良が見られる。2のように敵キャラを倒し続けると篝火に戻ってもリスポーンしないなどの煩わしいものは無くなった。敵は延々と沸くのでマラソンなども気兼ねなくできる。
マップ移動は祭祀場からロスリックの高壁への移動以外はシームレスである。2のそれよりは自然に繋がっていると思う。無論、転送も使える。

極め付けは良質のBGMである。
一度、タイトル画面でボタンを押さず放置してみて欲しい。プレイするまでもなく素晴らしさが分かると思う。
今まで通り、フィールドではほぼBGMは無くボス戦のみである。美しくも重厚なサウンドがボス戦だけに入ることにより、緊張感がいや増す。


ここまではいい点ばかり書いたが、悪い点にも触れておこう。
まず、最初のボスは初心者には強すぎるように感じる。ここで心が折れてしまっては元も子もない。
それとソウルの使い道が少ない。周回すると余りまくってしまう。
一部NPCのグラフィックが微妙である。これはシリーズ通しての欠点なのだが、Skyrimのモブキャラのような顔のNPCもいる。火防女やフルアーマーのキャラは気にならないのだが。
そして、NPCイベントがやや複雑過ぎる。今までも複雑だったが、今作ではさらにややこしいフラグ処理をしなくてはならず、しかも並行することができないもの、並行しないと進まないものなどがあり、上手くやっても2週程度では総てを見ることはできない。

発売当時には通信関連や当たり判定など悪い点はもっとあったが、最近ではかなり落ち着いているように感じる。
今後も修正には期待できるだろう。


個人的には、人生でトップ10に入るゲームとなった。
まだSoulsシリーズをプレイしたことがない人や、2に失望してまだプレイしていない人にも是非買っていただき、絶望とそれを乗り越える達成感を味わってもらいたい。


最後に初心者へのアドバイスを。
見通しの悪い場所、不自然にアイテムが置いてある場所にはまず間違いなく敵が潜んでいる。
そして大きな敵とはあえて密着して戦う事。2では通用しなかったがこれはSoulsシリーズの鉄則である。
どうしてもクリアできない時は、「残り火」を使って我々先達を召喚してくれればお互いに捗るだろう。
どうか心折れることなく最後までプレイしてほしい。

※本レビュー上部に「無料で入手した商品」と出ていますが、普通に有料で入手しています。