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Posted: 1 Dec, 2019 @ 9:12am
Updated: 23 Nov, 2023 @ 5:58am

良い点
・実際に販売されているパーツ群で組み立て、再現が可能
・水冷用パーツが豊富
・オーバークロックを試せる
・自持ちの画像やmp3を組み立てたPCのデスクトップ上で利用可能
・PCのハードウェアの基本を学べる教育ツールとしての側面
・ヒートスプレッダの上で目玉焼きを焼いたりするようなおふざけ要素は無い、至って真面目なシミュレーター

悪い点
・ケース内配線まで丁寧に再現しているとは言えない
・構成を考える事や組立そのものが好きで無ければやり込み甲斐は無い


コンピューターを利用する上において、自作パソコンなんて物は中々ニッチな代物だろう。
各メーカーが製造しているパソコンはおろか、今となっては携帯電話だけで事が済んでしまう事も多い。
そんな御時世に置いて自作PCが優位性を発揮するのはサーバやワークステーションなどの利用に於いてメーカーの縛りに囚われない柔軟性、
そしてもう一つはこのレビューをお読みの方なら間違いなくお馴染みのPCゲームだろう。
PCはゲーム内のグラフィックを非常にリアルに再現したり高速に描写する事が可能だ。
その点に置いては他のデバイスで同じゲームを遊ぶにしても圧倒的な優位性がある。
それを可能にさせる為に必要なものがPC内部に接続されているCPUやグラフィックボード等と言ったハードウェアだ。
しかしながら、PC内部を開けて自らハードウェアを増設する必要があるほか、予算も非常に高額になる場合もある為、何かと敷居の高い面も多い。
そんな敷居の高さの踏み台になってくれるのがこのPC Building Simulator最大の存在意義だと言える。

ところでこんな悩みや疑問を抱えた方はいないだろうか?

(例1)パーツを一式を買い揃えたけど組み立ては初めてで上手くできるかな・・・
(例2)PUBGやるならやっぱ4K120fps出せるパソコンでしょwwwwwwwえ、GeForceRTXってナニ?
(例3)自作PCなんてよくわからないからド○パラでパソコン買ったけどグラボ変えたいなでも自分で変えるのは不安だからサポート頼もうかな・・・

 そんな悩みや疑問を持つ人にこそPC Building Simulatorは最もオススメ出来るタイトルだろう。
3つのモードの中で最も関心させられたのが「PCの構築について」と言う名のチュートリアルだ。
このチュートリアルにおいてPCを動作させる為に必要な各パーツ、各パーツの役割の説明、
さらにパーツに搭載されている各部品の詳細な説明から実際にパーツを何処に設置して繋げたり差し込めば良いのかをリッチなグラフィックを用いて実際にマウスで操作しながら組立てて行く事が出来る。
これを完了させるだけでハードウェアに関する基礎的な知識と共にPC組み立ての大まかな流れを習得する事が出来るはずだ。
チュートリアルではあるが、これはもう教育用教材と言っても良い程だ。
無論、チュートリアルだけでは分からない要素も多くあるが(BIOSの操作、OSのインストール、各パーツの規格や互換性等)
このモードの内容を理解して終わらせる事が出来れば後述のモードに進んで行くだけで自ずと理解していけると思う。

フリービルドモードではゲーム上に現在実装されている全てのパーツを用いて自分だけのPC組み立てることが可能だ。
自作PCを経験済みで最新のパーツの動向も気になるし組み立てるのも好きな方はこのモードから始めてしまって構わないだろう。
全てのパーツを利用できるので選り取り見取りのパーツ群の中から自分が考える理想のPCを組み立てる事ができる。
現実と違って予算は青天井なのでまさにPC好きにとっては夢の世界への入り口だ。
3DMarkで異次元のスコアを叩き出すも良し、水冷パーツとLEDを用いて芸術的なマシンのスクリーンショットをコミュニティに投稿するのも良いだろう。
そしてチュートリアル上には無かったBIOSの操作も可能だ。
実機とは違い非常に簡易的でCPUとメモリの電圧、ベースクロックそして動作倍率の変更程度の項目しか存在しない。
これによってオーバークロックを試す事が可能である。ところが・・・
シミュレーターだから幾らでも電圧マシマシするぜーと気を大きくしているとしっぺ返しを喰らう羽目になる。
ちょっとでも無理な電圧を掛けると直ぐに青い画面を拝む事になるので中々難しいと言ったところだ。

今までシミュレーターとしての評価をしていたがこれはPCゲームでもある。
まさにこの作品の本編?でもあるキャリアモードは主人公が親類が経営していたPCショップを引き継ぐと言う設定でスタートし、
客からの注文や依頼を次々とこなしてゼロからの状態から資金と在庫と店の評価を稼いでいく経営シミュレーターとしての要素も含んでいる。
フリービルドモードとは違い、パーツを用意するには予算が必要であり、また利用できるパーツもレベル毎にアンロックされていく仕様となっている。
予算とレベルを稼ぐにはメールボックスに溜まって行く依頼をひたすらと片付けていくしか無い。
客の依頼にはウイルスを駆除してほしい、メモリを増設して欲しいと言った簡単な物から、電源を付けても画面が真っ暗なので修理して欲しいと言ったテクニカルなもの、
予算や動作させたいゲームタイトルの指定などに基づいて新たなPCを組み立てて出荷するなどと言った注文を納期までに完了させていく事を繰り返す日々を過ごして行くのがこのモードの一連の流れだ。
依頼を完了すれば数百ドル単位の報酬があるのでそれらを元手に在庫用のPCパーツを買い込み毎月の家賃や電気代を支払いながら資金繰りをしていくのだが、
3DMarkのスコアに固執してくるクソ客と間に合わない納期に胃に穴が空きそうになってくるところはまさに会社経営の厳しさと自身の経営能力の無さを実感させられる素晴らしいモードと言えるだろう。
そもそもPCショップなんてこんな簡単に経営出来るもんじゃねえだろ
納期をしっかりと守りながら指定された予算から最適な構成を考え提供する優良企業を目指すか、他の客のマシンから抜き取った中古パーツを再利用して利益第一の悪徳企業を目指すかはあなた次第だ。


実装されているパーツが市場で販売されている多くのパーツのほんの極一部のみであるのは残念ではありますが、各メーカーのライセンスの都合上仕方がない事でしょう。
しかしながら2000円と言う価格から考えれば十分な数のパーツを実装していると思います。
シミュレーターとしての出来を含めてもこの価格はセールを待たずに買ってしまってもいい出来であると感じます。
自作PC歴がある方には勿論、自作PCにちょっとでも興味があるのであれば是非とも気軽に遊んでみて欲しいシミュレーターです。


個人的評価
★★★★★

★★★★★ 買え!
★★★★☆ おすすめ
★★★☆☆ 面白いけどおすすめはしない
★★☆☆☆ おすすめしない
★☆☆☆☆ うんこ
☆☆☆☆☆ 買うな!
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