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Posted: 18 Mar, 2021 @ 9:15am
Updated: 18 Mar, 2021 @ 9:46am

厳密には別作品ですが、同開発元のDeadly Dozenシリーズの流れを汲むベトナム戦争物のTPS/FPSです。前前作/前作のレビューはこちらこちら。基本的なシステムについては以前のレビューも参考にしてください。
中価格帯でちょっとリッチだったDeadly Dozen: Pacific Theaterから一転、本作は恐らく初代同様の低予算/低価格帯に回帰しています。

前作/前前作の特徴の1つは、分隊ベースのTPS/FPSとしてはアクションに重点が置かれていることでしたが、本作は完全にアクションに振り切れています。
すなわちどういうことか。事前準備(装備/分隊編成)は完全にオミットされ、分隊指揮の仕組みは残されているものの、もっぱら1人や2人での出撃となり、1人が戦死した時点でミッション失敗になります。1ミッションあたりのタスクは減らされ、出現する敵の数が増えています。ステルスの要素も存在感が薄くなったほか、戦車などの乗り物も使えません。

つまり、地図や名簿、装備一覧を眺めて作戦を立てることはなくなり、その分だけ1人で複数人の敵と撃ち合う場面が増やされたわけです。DDのエンジンを使って、プレーンなTPS/FPSを作ろうとした、という印象です。

問題は、元々銃撃戦の感触が印象的なエンジンではないので、ここを引き伸ばしても削られた戦略要素分を補えるほどの楽しさには繋がっていない点です。スクリプトでスポンする敵の配置や数は大雑把ですし、夜闇や背の高い草木が十分に敵の視界を遮らないなど、公平さに欠ける部分も目に付きます。ジャングルはDDPTよりも鬱蒼としており、(一方的に)視界が限られているのに、いくつかある夜戦ミッションは非常に暗く、暗視照準器を通してでさえ敵を見つけるのが困難です。
引っかかると大ダメージを受けるブービートラップが多数仕掛けられているマップもありますが、ジャングルや夜戦といった環境下においてはスリルよりもストレスが上回ります。とりわけイライラするのは狙撃手で、DD/DDPTではボルトアクション式だった狙撃銃が半自動式(SVD)になったため、遠距離から前作までの倍以上の速度で正確な射撃を行ってきます。

結局のところ、Deadly Dozen: Pacific Theaterの劣化版というのが大まかな感触です。
ゲームとして成り立っていないとか、バグで遊べないという代物ではありませんが、前作/前前作と比べてしまうと、単純ながらも楽しかった戦略要素のような目を引く何かがあるでもなし、ユニークさに欠けた古臭くぎこちないTPS/FPSという印象に留まっています。バンドルならともかく、単品で買うのはあまりオススメできません。
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