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Posted: 27 Jan, 2021 @ 3:24am

比較的低予算で制作された分隊ベースTPS/FPS。
時期の近い同ジャンルの作品としては、例えばHidden & Dangerousなどがあるのですが、本作は指揮システムがシンプルでアクション要素が強め。武器やアイテムの種類も絞られていて、細かい調整はできないものの、この点も出撃前の準備よりもアクションを重視した設計なのかもしれません。

プレイヤーは12人の兵士から4人を選んで分隊を構成し、これを指揮して任務の達成を目指すことになります。
各兵士は大まかなスキルの傾向を示す職種(爆破担当、衛生兵、狙撃手など)を持っていて、スキルによって各武器の威力や衛生キットの回復量、防御力、隠密能力が変化します。スキルは現地でも確認可能(@キー)。装備に制限はないので、本来の専門技能者が戦死した場合など、必要に応じ不得手な武器/機材を使用させることもできます。成長要素は無し。

先に書いた通り、アクションが重視されていて、分隊指揮の仕組みは極めてシンプル。
分隊のうち、操作キャラ以外の3人には「ついてこい」「その場にとどまれ」「自由に撃て」「指示あるまで撃つな」「フォーメーションを保て(数パターンあり)」の命令を与えることができます。操作キャラはいつでも切り替えが可能。

操作の感触は一般的なTPS/FPSと同様ですが、敵の視界が広く、ダメージも非常に大きい(オプションで調整可能)ので、難易度は高め。衛生キット自体は現地で豊富に入手できるものの、そもそものダメージの大きさや隊員ごとの医療スキルの差もあり、安易なゴリ押しは(不可能ではないが)困難といった程度のバランスです。
仕様上、狙撃銃が非常に便利なのですが、補給ができないので頼り切るわけにもいかず、短機関銃や歩兵銃を用いた中近距離戦もうまく攻略に組み込んでいく必要があります。基本的には操作キャラを援護できる位置に分隊員を置きつつ、狙撃銃で要所の敵を排除し、遮蔽物を意識して少しずつ前進していくことになるでしょう。また、場面によっては陽動用のコインやナイフを用いたステルスも有効です。

AIの作りはいささか素朴。敵は巡回/察知/捜索をある程度こなすものの、積極的に遮蔽物を探したり、有利な場所に移るなどの"賢い"アクションはできません。これは分隊員も同様で、プレイヤーが操作するか命令によって移動させなければ、機関銃の掃射を受けても道の真ん中に突っ立って応戦しますし、移動中に柵や木箱に引っかかることも。

サウンドはややチープな上、銃声が響いても距離や方向がわからず、一方的に撃たれ続けることも。この欠陥がゲームの難易度を不当に引き上げています。グラフィックは時代/値段相応。リリース当時の水準のやや下だが、雰囲気が崩れるほどではなく。

黎明期のゲームですから、同ジャンルの最新作に比べれば多くの点で見劣りしますし、サウンドやAIの作りなど固有の欠点も目立ちます。とはいえ、10種類のミッションはどれもユニークで歯ごたえがあり、980円という値段以上の満足感は得られます。むかし戦争ゲームファンなら買い。
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