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0.0 hrs last two weeks / 55.8 hrs on record (55.8 hrs at review time)
Posted: 26 Jul, 2018 @ 10:39am
Updated: 26 Jul, 2018 @ 10:41am

このゲーム、見てくれは非常に良いんですよね。

冷戦只中、影を残しつつもエネルギーに満ちた1968年のアメリカの風景も、ラジオから流れる流行歌も、家族を奪われ復讐に燃えるベトナム帰りの黒人兵という背景も、ドキュメンタリーや記録映像を模したカットシーンも、舞台と筋書きは文句なしに最高。

けれど、肝心のゲーム性がどうにもイマイチ。

サイドミッションはA地点からB地点に車を動かすとか、敵の一団(5人くらい)を殺すとか、箱を壊すとかそういう単調な奴を場所を変えて繰り返すばかりで、メインミッションも半分くらいが同じものだから、非常に早い段階で飽きてしまう。

敵は最後まで全く同じで変わり映えせず、そう賢くもないから銃撃戦も爽快感があるものではない。

また、元々コンシューマ向けに開発されたであろうこともあってPC向けに最適化されていないほか、操作系では他所の一般的なTPS/FPSじゃ絶対に使わないようなキーにまで操作割り振りを行わねばならず、結果としてキャラクターが思い通りに動かず、戦闘中でも変なところに引っかかってなぶり殺しにされたりする。

オープンワールドとしても失敗だったと思うのは、マップは非常に広く作り込まれているのに、サイドミッションの種類が少ないのと関連して、ミニゲーム的なアクティビティも特にないので、十分に活用されることもなく、ほとんどはミッションの指示で街の端から端へ移動する時の風景にしかなっていない

雑誌やポスターといった収集要素もあるのだが、これが本当に大量かつまんべんなくばらまかれているので、集めようとすると事実上街の全部の道路を回るくらいのことになる上、ファストトラベル機能がないのでモチベーションが続かない。

このファストトラベル機能無しというのは、いつもいつも街の端から端までの移動を強いられることを思うと、恐らくこのゲームをつまらなくする一番の問題点として指摘できるように思う。これがあるだけでも評価は大きく変わっただろう。

車も1968年風のをたくさん取り揃えているくせに、プレイヤーが所有して改造を施したり呼び出したりできるのはイベントでアンロックされるごく一部のみ、というのももったいない。

一方、DLCの展開を見てみると、本編と毛色の違うミッションやロケーション、あるいは大麻栽培や店の改修、レースといったアクティビティが追加されているあたり、本来はDLCなりアップデートなりで徐々に空っぽのオープンワールドを埋めていく計画があったのかも。

大きな落差を感じつつ、物語が進みついつい引き込まれるカットシーンと、同じことを繰り返すオープンワールドを往復していると、レビュー賛否両論もやむなしといった気持ちになってくる。おすすめしますか?でハイとイイエのどちらを選ぶか本当に迷ったものの、ゲームのコア部分がどうにも褒めがたい貧相なオープンワールドに思えたので、イイエを選ぶことにした。

まあそんな感じのゲームでした。定価ではオススメできないが、冷戦期の雰囲気に憧れるみんなであれば、いくらか割引されていたら購入検討してみても悪くないと思います。
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