11 people found this review helpful
2 people found this review funny
Recommended
0.0 hrs last two weeks / 10.0 hrs on record (3.6 hrs at review time)
Posted: 6 May, 2022 @ 12:57am
Updated: 6 May, 2022 @ 1:30am

2001年にリリースされた分隊ベースのTPS/FPS、Deadly Dozenのリメイク作品。オリジナル版のレビューはこちら

Deadly Dozenは、第二次世界大戦中の米陸軍に所属する不良兵12人から成る架空の特殊部隊「デッドリー・ダズン」を題材としたゲームです。映画『特攻大作戦』(原題:The Dirty Dozen)を彷彿とさせるタイトルからも分かる通り、その設定やミッションの内容は"むかしの戦争映画"を大いに意識したもの。低予算で制作されたこともあり、グラフィックやAI、演出などは当時としても他作品に比べ多少見劣りしたものの、同ジャンルの中の安価な選択肢として一定の成功を収めた作品でした。
基本的なシステムはオリジナル版とほぼ同様なので、以前のレビューも参考にしてください。

本作ではオリジナル版で目立った欠点、例えば敵兵の異様な視界やサウンドの聞こえ方などが改善されているほか、AIの挙動や操作感の改善、分隊指揮用のラジアルメニューや敵のスポットといった追加要素のため、現代の同ジャンルの作品に慣れたユーザーにも格段に遊びやすくなっている感触です。グラフィックも現代的な水準ではありながら、写実的なものを目指しているわけではなく、かすかにコミック調というか、どこかオリジナル版の雰囲気も感じさせるものになっています。
一方、多くの部分でオリジナル版を踏襲しているが故に、現代の同ジャンルのゲームと比較すれば、AIの素朴さやダメージのバランス、銃撃戦の感触、岩や建物の曖昧な当たり判定、演出などに"古臭さ"を感じずにはいられないでしょう。もしかするとオリジナル版がそうであったように、本作も決して潤沢な開発予算が割り当てられていたわけではないのかもしれません。そんなとこまで踏襲しなくていいよ。

すなわちどういうことか。リメイク作品としてはオリジナル版の雰囲気を崩すことなく改善を加え、一定程度うまく作られていると言えますが、単体の作品としてはオリジナル版に起因する古臭さが目立ってしまいます。また、「古いゲーム」の区分に含んで考えた場合には、すっかり安価になったオリジナル版に比べていささか立派な定価をつけていることも気になるかもしれません。

オリジナル版を楽しめた人、むかし戦争ゲームに関心のある人、あるいは本作を「おおむね再現度の高いむかしの戦争ゲームのリメイク」として納得できる人ならオススメ。
Was this review helpful? Yes No Funny Award