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Posted: 18 Feb, 2021 @ 6:21am

Deadly Dozen(2001年)の続編としてリリースされた分隊ベースTPS/FPS。前作レビューはこちら
低予算で制作された前作が、賛否両論のレビューながらも同ジャンルの中の安価な選択肢としてそこそこのヒットを記録したので、もう少しだけカネを掛けて中価格帯のゲームにランクアップさせたのが本作。
基本的なシステムはそのままに、舞台を太平洋戦線に移し、グラフィックに加えUIなどのビジュアルの見栄えがよくなり、AIの具合も多少は良くなっているといった風。前作にはなかったマルチプレイ機能も搭載されています(未プレイ)。

プレイヤーは12人の兵士から4人を選んで分隊を構成し、これを指揮して任務の達成を目指すことになります。
各兵士は大まかなスキルの傾向を示す職種(爆破担当、衛生兵、狙撃手など)を持っていて、スキルによって各武器の威力や衛生キットの回復量、防御力、隠密能力が変化します。スキルは現地でも確認可能(@キー)。
装備に制限はないので、本来の専門技能者が戦死した場合など、必要に応じ不得手な武器/機材を使用させることもできます。成長要素は無し。

分隊のうち、操作キャラ以外の3人には「ついてこい」「その場にとどまれ」「自由に撃て」「指示あるまで撃つな」「フォーメーションを保て(数パターンあり)」の命令を与えることができます。操作キャラはいつでも切り替えが可能。

前作はこの種のTPS/FPSとしてはアクションに重点が置かれており、分隊員の指揮やステルスといった要素はシンプルに収まっていましたが、本作ではその傾向がより顕著です。基本的なバランスの方向性は前作と同様、平均してダメージが大きく、安易なゴリ押しは(不可能ではないが)困難といったものです。
狙撃銃が仕様上便利なのも変わらず、現地で鹵獲もできるようになったのですが、もっぱらジャングルが戦場になるため、平均戦闘距離自体が前作よりも短く、短機関銃や歩兵銃が輝く場面も増やされています。また、本作ではステルス専用のミッションのほか、操縦可能な戦車も登場し、ゲームプレイにアクセントを設けています。

ニッポン描写はまあまあ。ボイスは恐らく非ネイティブながら聞けないほどではなく、その他のデザインも正確ではないにせよ明らかに異常というほどではありません。

前作で指摘した敵兵のアンフェアな視界や音の聞こえ方については改善されていて、前作でしばしば起こった"応戦不可能な距離から正確な方向もわからないまま蜂の巣にされる"という場面はなくなりました。

AIの作りは敵味方とも多少は向上している感覚はあるのですが、目に見えて賢くなったというほどではありません。遮蔽物を探すようにはなったものの、やはりときどき棒立ちになったり、ルート探索に失敗して木や壁に引っかかることも。

前作よりは向上しているものの、グラフィックはやはり時代/値段相応。一方、依然としてブリーフィングは音声とテキストのみの簡素なものですが、UIなどは大幅にリッチになりました。分隊編成時に隊員の略歴が確認できたり、戦死時にはそれぞれ個別の追悼文が表示されるのが個人的には嬉しい追加要素です。

前作よりはカネがかかっていると言っても、やはり低予算ゲームですから、メジャーなゲームに比べれば粗が目立つのは否めません。
それでも1942年のフィリピンから1945年の沖縄までを描いた12のミッションはいずれも異なる風景や任務、ギミックが組み合わされ、飽きさせないための努力が伺えます。2001年代の中価格帯の分隊ベースTPS/FPSとしては十分に及第点と言えるでしょう。最高傑作ではないにせよ、遊ぶ価値はあるゲームです。むかし戦争ゲームファンなら買い。
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