Tharsisは、ダイスによるリスクコントロールを先手先手で読んでいくゲームです。胃がきりきりするような緊張感と、最善手を打ってもなおクリア出来ないかも…という恐怖に立ち向かいたくなる人に向いています。
基本、ダイスの目が悪いと詰んでしまうことが多々ありますが、状況の先読みや機転の利かせ方次第では切り抜けることが可能です。切り捨て、無理押し、二の矢三の矢、あらゆる手段で生き残りに挑戦しましょう。

目的は10週間（10ターン）宇宙船を、そして船員を保持して、目的地火星までたどり着くことです。

このゲームで気を配るべきは大きく分けて５つです。

１　船体の保持
　画面左上の白いゲージが船の耐久力。直下の赤いゲージが、そのターンでトラブルを解消できなかった時に船体に入るダメージ。毎ターン終了時に、白いゲージが赤いゲージを下回らないようにしないと宇宙船が破壊され、ミッションは失敗。このゲームの大前提である。

２　船員の体力
　開始時には四人いる。各キャラクターの顔ウィンドウの右に体力ゲージ、左がストレスゲージになる。
船員の体力が足りないと、修理現場に到着した時や、修理作業中にトラブルに遭って死亡することになる。人数が減ると修理の手が減ることになり、それだけ船が沈む危険性が増大する。
　また、船員はそれぞれが個別の能力を持っている。（５，または６の目のサイコロを１個消費して利用できる）どういった順番で、どこに誰を派遣するかによって、この能力をどう活かすかも重要な戦略要素となる。

３　船員のストレス
　各キャラクターの顔ウィンドウの左がストレスゲージになり、様々な行動の結果として蓄積する。
　ストレスが蓄積すると、ミーティングでの提案が支離滅裂に、そして船内での移動に応じてダメージが入るようになる。だがストレスが掛からないようにと船体のトラブルを放置すると、今度は船が沈んでしまう。

４　食料
　２ターン目以降、開始時に食料を摂取できる。船員に与えることにより持てるサイコロの数が３つ増加する。
　（食料は、トラブルとは別に食料生産モジュールに行って確保する必要がある）
　また４ターン目に食料施設でトラブルが発生し、以降仲間の死体を食料にすることが可能となる。ただし、サイコロが増加するのは２個だけ、おまけに摂食した船員のストレスが急上昇する。
　（最初の肉を消費して以降は、船員４人のうちの誰かが事故で死ぬか、自主的に誰かを殺さないとこの肉は獲得できない）

５　サイコロ
　主な行動は総てサイコロで行われます。各キャラクターは最大で５つのサイコロを持てるようになっていて、一度だけ振り直すことが可能です。このサイコロを使って、修理・技術研究・特殊能力・モジュール起動の総てを行います。
　サイコロは一度（船員によっては二度）の振り直しと、出目のよいサイコロをキープすることが可能で、この二つを組み合わせて、出目による事故を減らし、次善策を狙っていくことになります。この作戦性が、このゲームのメインといって良いでしょう。



・ミーティング
　　船員が寄り集まって、今後の方針を提案してきます。
　　英語で会話内容が読めなくても、選ぶと何が起きるのかが書かれているので、そこで判断しましょう。
　　船員にストレスが掛かり始めると、全員がむちゃくちゃなことを言い始めるので、これもトラブルの一部と言ってもいいかも知れません。発生するイベントは以下の組み合わせの通り。
　　　Hull（船体の耐久力 ＋／－）
　　　Food（食料 ＋／－）
　　　Stress（ストレス ＋／－）・提案を拒絶するとストレスが増加する場合があります。要注意
　　　Health（体力 ＋／－）
　　　Dice（サイコロ ＋／－）
　　　for me ／ for us（提案者自身のみが被る）
　　　for all crew（船員全体が被る）

　　どれかひとつの方針が決定すると、その後食料を与えます。
　　通常食糧が＋３Dice 仲間の死体からの肉が＋２Diceで、さらに多量のストレスが掛かります。
　　仲間の死体を食べ尽くすと、他の仲間を殺して肉にする、というボタンが表示されるようになります。

・船体修理イベント
　　毎ターンごとに隕石の衝突や機器の不調が発生し、船員たちはその対処を迫られます。
　　その総てに対処する、あるいは次のターンに持ち越すかを決定し、船体と船員、その双方を維持するように行動することが大事です。
　　船はモジュールごとに別れており、モジュール間を移動するには体力を消費する場合があります。
　　各モジュールの位置（かっこ内は利用できる機能）は以下の通り

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（アシスト増加）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜
　　操縦室－－－－－－－温室－－－－生命維持室－－医務室－－－船体修理室
　（移動ダメージ除去）（食糧追加）（ダイス追加）（体力回復）（船体回復）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　作戦室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ストレス除去）

　　各モジュールでの（）内の機能の利用方法は後述します。

　　まず船員をクリックして選択、それから行き先のモジュールをクリックすると、青い配置[DEPLOY]ボタンが表示されます。このとき、移動に体力が消費される場合、ボタンが赤くなり、必要な体力量が表示されます。
　　船員の体力と相談して、移動するかどうするかを決定して下さい。１ターン中で移動できるのは１人につき１回だけです。

　　配置ボタンを押すと、見取り図からモジュール内の映像に切り替わります。
　　サイコロを[ROLL]ボタンで振り、そこから何を行うかを決定していきます。
　　船員が保有しているサイコロを全部振ります。
　　振ったサイコロはすぐに利用することも出来ますし、出目が気に入らない場合は[REROLL]１回振り直しが出来ます。
　　振り直しの結果を見て利用するかどうか決めたいサイコロは、右下のキープスペースに入れて取っておくことも可能です。
　　このサイコロで出来ることは４つあります。

　　１　事故イベントの修理
　　　画面中央上に出ている数字を越える数値の分だけ、振ったサイコロを投入することで修理が完了します。
　　　ただし、修理が完了するまでの間、サイコロには危険が伴います。危険は次の３種類です。
　　　・青のサイコロ／STASIS（停滞）
　　　　ここに表示されている目と同じ目を出してしまうと、
　　　　そのサイコロの目は固定され、振り直しが出来なくなります。
　　　・赤のサイコロ／INJURY（負傷）
　　　　ここに表示されている目と同じ目を出してしまうと、
　　　　そのサイコロを振った船員の体力が１失われます。
　　　・紫のサイコロ／VOID（消失）
　　　　ここに表示されている目と同じ目を出してしまうと、
　　　　そのサイコロが失われ、以降の船員のサイコロの数が１減少します。
　　　修理が完了すると、この危険も同時に解消します。
　　　後述の技術研究カードや、研究室モジュールでアシストを装備（最大３つまで）していると、同じ目を出してしまっても、アシストと引き替えにその効果を防ぐことが出来ます。

　　２　モジュール機能の利用
　　　画面右側に書かれている、今いるモジュール固有の機能を利用します。ターン中各スロット１回のみ利用可能。
　　　各モジュールの機能は見取り図を参照して下さい。
　　 （５↑）と書かれているモジュールは、５以上のサイコロが一個、
　　 （＝）と書かれているモジュールは、同じ目の複数のサイコロ を支払うことにより利用が可能です。
　　　　（１－１、３－３－３と言った感じ。目はどれでもＯＫ）
　　　補充される量はスロットの下に◆で表示される。

　　３　船員各自の特殊能力の利用
　　　画面左の船員ウィンドウの下に表示されている。利用には（５↑）５以上のサイコロが一個必要。

　　４　技術研究
　　　画面下にある１～６の目のスロット。同じ目のサイコロを投入することでコストが増えて、スロットの下にあるランダムな能力カード３枚を使えるようになる。カードには１～６のコストがあり、研究スロットにあるダイスを消費して利用が可能。カードの内容が気に入らない時は、コスト１を使って引き直しが出来ます。コスト使用時は、目の小さなダイスの方から消費されていくので、使うタイミングも重要になってきます。

　船員四人の移動、行動が総て終わると、ターンが終了。修理が完了していないばあいは、そこに書かれている船体ダメージ、船員ダメージ等の精算が行われて、次のターンのミーティングに進みます。
　これを１０ターンの間生き延びて、最終ターンで操縦室に集合し、着陸艇で火星に脱出するのが目標です。