25 people found this review helpful
5 people found this review funny
Recommended
0.0 hrs last two weeks / 436.2 hrs on record (199.0 hrs at review time)
Posted: 5 Mar, 2021 @ 12:14am
Updated: 26 Mar, 2021 @ 3:29am

三國志買ったよ!いつも10000円なのに2500円!でも何故か英語だ…。しかもコーエーじゃなくてセガになっている。でも日本語MODあるし安いし面白いしいいや!
という皮肉を言いたくなる。比較方法は不当だが。

(追記)1.7パッチ

官渡の戦いをテーマにしたDLC「分かたれた運命」の実装とともに、曹丕、于禁、曹仁、顔良、文醜、法正などの武将に絵がついてオリジナル化された。これらの武将はカスタムバトルではDLCがないと使えないが、他のキャンペーンシナリオではDLCがなくてもこれらの武将は使える。
また、官渡の戦いの曹操は献帝を擁して広い領土を誇るが、敵に囲まれているため難易度は高めになっている。
1.7パッチによって「朝議」の内容が変更され、新たに「策略」が加わった。「朝議」はこれまでのようなミッションではなく、幾ばくかの金銭を支払うと(一部は無料)即なんらかの効果が現れる。忠誠度の上昇など。「策略」は信用度を支払うかもしくは得ることでやはりなんらかの効果を得ることができる。例えば軍のキャンペーンマップでの速度を上げるなど。
「帝室への熱意」という項目があり、これは漢の皇室と関わって外交的な駆け引きができるようである(正直なところ未確認)。
君主ランクのアップも変更され、上昇するたびにポイントを割り振って太守を増やしたり任務を増やしたり貿易関係を増やしたりできる。

まず設定すべき点

はじめたらまずオプションの音声で声を中国語にしたいところである。デフォルトでは音声が英語なので、Cao Caoが英語で号令をかけたりして違和感がある。
ついでに字幕もONにしておかないとムービーのナレーションがわからない。

トータルウォーとして

冗談はさておきいつものトータルウォーである。キャンペーンシナリオについて言えばだいたいいつもどおりのトータルウォーである。戦術パートになると、今回は「Romanceモード」が存在したり、一個軍が今までのように一人の指揮官ではなく三人の指揮官によって指揮されるが、基本システムは変わらない。
トータルウォーを知らない人に説明すると、キャンペーンのストラテジーはターン制で建築物を建てつつ軍を動かし、個々の戦闘はRTSになっている。ただ個々の戦闘はオートでスキップすることも可能。私は面倒になっていつもオート解決してしまう。作品ごとにオートの場合の難易度が変わる気がするのだが、今回はやや相手が強い。
Roma II 以来(もしくはEmpire以来)拠点が城壁に囲まれたメインの拠点と副次的な拠点とに別れていて、Roma II などでは副次的な拠点は城壁もなく守備隊も弱いので簡単に落ちていたのだが、今回は守備隊がいくらか強めになっている。
軍の召募補充についてはThrones of Britanniaからの、召募した最初は補充されていなくターン毎に補充されていくシステムになっている。部隊が壊滅しても1~2ターンで復活してまた何ターンかして補充されていく。

戦闘面での大きな違いの一つは、上述の通り(従来の)一個の軍(20部隊)が三人の指揮官、いや武将というべきか、によって構成されている点である(武将一人あたり6部隊)。武将は五行思想に合わせて五種類に区別される。火=槍騎兵、土=騎兵、金=歩兵、木=槍歩兵、水=弓兵となる。水はいわゆる「軍師」にあてられている。土と金は行政官が多い。火と木は武人である。水は役割も多く多めに欲しくなる。
またRomanceモードも大きいはずである。Romance、つまり三国志演義モードである。これは武将が「一騎当千」の強さを誇る今までのトータルウォーにない特殊なものであり、一騎打ちなども発生する。私は戦術モードをほとんどしないのであまり関係ないが。また「史実モード」も存在する。こちらはいつものトータルウォーであり、指揮官と随伴部隊から構成される。
忠誠がやたら低くて困ることが多くなるかもしれないが、これも水こと軍師文官系の武将による任務で解決するかもしれない。任務は色々あるが、忠誠を高めて汚職を下げる任務が重要だろう。

今回は特に内政面が複雑になっていると思う。単純に建物を建てたら収入が増えるというのではなく、建物の組み合わせを考えて建てないと収入にあまり結びつかない。逆に維持費がかかってしまうこともある。敵の根拠地もただ奪えば収入が増えるわけではなく、場合によっては維持費がかさむ。少々面倒である。収入を上げるセオリーを身に着けないといつものトータルウォー以上に厳しい。戦争に必要なものは三つある。金、金、そして金だ - ヤコブ・トリブルツィオとなってしまう。いつものことであり歴史の真理であるが。

DLCもいつものトータルウォーであろう。購入することでプレイアブル勢力やキャンペーンを開放できる。追加されるプレイアブル勢力には陶謙などの他に、黄巾党や南蛮なども含まれる。ただしすべての勢力がプレイアブルになるわけではない。これはいつものことである。プレイアブルになるMODはあるが。

三國志という面から

今回は舞台が日本人にも馴染みが深い三国志なので、三国志という特別な面からちょっと述べておく。

トータルウォー三國はキャラゲーとしての色合いが強くなっている。(ショーグンといいコーエーに喧嘩売っている気がとてもする。三国でも三囗でもなく三國だし。)特別な武将には独自のビジュアルが用意されていたりする。また従来のトータルウォーは架空の自動生成指揮官が多く、今回も存在するが、その他にも史実にいた名前の武将が数多く登場する。ただし某K○E|ほどではなく、特別なビジュアルが用意されているのは一部で、他の多くは汎用イラストの使いまわしである。また、特別な「レジェンダリー」武将だからと言ってもむやみやたらに強いわけでもない。某K○E|のように呂布や諸葛亮にはよほどの大軍を当てないと勝てないとかいうこともない。

グラフィックの用意されている特別な武将は、劉備や曹操、孫権はもちろん、関羽や荀彧、周瑜などの有名所は抑えてある。他には徐晃や楽進、太史慈、孔融などもいる。しかし一方で陸遜や于禁、呂蒙、姜維などは汎用グラフィックである。個人的には陸遜と呂蒙が汎用グラフィックなのは残念すぎる。呂蒙には刮目の才というような二つ名がありながら、あの関羽を敗死させた武将でありながら、グラフィックが存在しない。一方で、DLCの対象だからであるが、劉寵や士燮、霊帝劉宏などはグラフィックがある。劉寵などはK○E|などでは軽視だし、士燮に至ってはそもそも交州が存在しないことすらあった。この辺はむしろマニアックな感じがして好感を持てる。劉虞はオリジナルグラフィックは存在しないが登場はする。グラフィックの量というより誰が選ばれたに関しては個人によって不満を抱きがちになるのかもしれない。
まあオリジナルグラフィックの少なさやネームド武将の少なさに不満を抱えているプレイヤーがそれなりにいるように思えるが、個人的にはそれほど気にならなかった。それこそK○E|と比較となってしまうのだろう。K○E|の高コストゲームに慣れた日本人などには少なく感じるのだろう。しかし宜蘭とか出てきても別にまあ嬉しいわけでもなくこれはK○E|ではなくトータルウォーだしと私個人は思う。そんなにキャラグラほしければ10000円出すのです。
キャラクターの残念さでいうと、親族関係などもかなりいい加減である。曹操の子供として曹昂、曹丕などは確実に出てくるし、曹彰なども出てくるのだが、汎用グラフィックである。また曹植が別の勢力に出てきたこともある。
司馬懿の息子司馬師司馬昭兄弟に至っては親子関係すら存在しない可能性が高い。
そんなわけであるから、曹操だからといって郭嘉や荀彧が必ずしも配下になるわけではない。しかし一方で楽進、典韋、許褚、司馬懿は確実にイベントで曹操配下となる。

勢力ということでいうと、前述の通りDLCがあれば霊帝劉宏でもプレイできる。ただし宦官のせいで汚職でものすごいペナルティがかかっている。あと勢力についていうと、大陸の多くの部分は「漢帝国」という中立的な勢力になっている。霊帝の場合でも。この漢帝国は霊帝でもプレイできず、皇甫嵩が管理官となって運営されており、幼帝を擁した勢力の従属勢力として存在する。
他には厳白虎のような野盗もDLCで開放できる。
またトータルウォー恒例の後半になると厄介な勢力としては南蛮が用意されているが、こちらもDLCでプレイアブルになる。基本的にトータルウォー三國は演義に基づくので、南蛮は変な兵種を使える。ゾウさんもいる。
ただ勢力について私が一番不満なのは、南匈奴が出てこないことである。南匈奴は漢から晋、そして五胡十六国時代にかけて大きな役割を果たした存在である。黒山賊の張燕などはプレイアブルで登場するのに南匈奴はそもそも存在しない。また鮮卑なども登場しない。西羌はユニットとして馬騰勢力に登場する。

私が最も遺憾に思えたのは、女性武将の多さである。このゲームの女性武将の多さは、明らかに「政治的な理由」、つまり「男女平等」「ジェンダーバランス」のためなのである。当然ながらほぼ全てが架空武将でありグラフィックも汎用で特別な美しさもない。
大喬や小喬、卞婦人などは特別な「麗しい」グラフィックが用意されていて、ジャパンの三國志にあるような、「微妙な」目的のものだとわかろう。しかし数多く登場する女性武将は明らかにいわば「どうでもいい架空武将」なのである。普通の男性武将と同じように扱われる。違うことといえば結婚の対象になるかならないかだけである。当然ながら勢力の当主が死んだ場合は跡を継ぐこともある。
私はミソジニーからこのような指弾を行うのではない。中華世界、中国の儒教主義とは世界の中でも目立って家父長的な文化である。
つまりこのように女性が「活躍」する中華帝国というのがあまりに違和感があると言えばいいのだろうか。これは正確な意味において「歴史修正主義」と思える。たしかにトータルウォー自体は「歴史そのまま」ではなく「歴史ばなれ」な作品群ではある。しかし……やはりこれは違和感というか、おかしく思える。私にはいかなる意味でも「歴史修正主義」に思える。受け入れがたい。


時間泥棒である。キャンペーンのストラテジーについていえば、「あともう1ターン…」である。ただそれは三國志だからというよりもトータルウォーだから、ともいえる。トータルウォーというのは毎回時間泥棒なのである。今回特別日本人にとっても馴染みが深いから特にそうなのだろう。

おまけ:MOD他
当然ながら日本語化MODがほしい。日本人はピンインがわからないので人名がさっぱりわからないのだ。というかトータルウォーでここまで早く日本語化MODが出るのも珍しいくらいだ。
Was this review helpful? Yes No Funny Award
Comments are disabled for this review.