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Posted: 18 Nov, 2023 @ 12:45am

架空の中世ヨーロッパで永遠の戦乱を
あのナイツオブオナーが大体そのまま帰ってきた!

【前作を知っている人向け】
ナイツオブオナーが大体そのまま帰ってきました。3DCGで。

【前作を知らない人向け】
キャンペーンマップはトータルウォーをリアルタイム化したもの。バトルはだいたいトータルウォー。
そんな感じのメディーバルなトータルウォーっぽく見えるけれどトータルウォーではないゲーム。
なおCKっぽさは微塵もありません。

まず一つ言わないといけないのだが、このゲームは中世ヨーロッパの戦略ゲームだが、ほぼほぼ架空のヨーロッパである。
そもそも西暦何年という概念がない。もちろん時間は過ぎていき、王は歳をとって死んで代替わりしていくのだが、年齢経過はそれだけである。宮廷の騎士すら歳をとらない。不慮のなにかで死ななければ同じ騎士が永遠に宮廷に居続ける。
それから資源の配置がランダムである。パリで金が採れたりジェノヴァで大理石が取れたり自由自在である。流石に琥珀は沿岸部でしか採れないが、地中海でも採れる。

つまりこのゲームに史実性など求めようもないのである。史実のヨーロッパを期待してはいけない。史実通りなのは国の初期配置だけである。


ゲームを始めると宮廷に騎士を8人招聘できる。王を含めると9人である。彼らを元帥、聖職者、商人、密偵、外交官に割り振る。
軍勢を率いれるのは基本的に元帥だけである。宮廷には9人しかいない。全員元帥にするわけにも行かない。というわけでどんな大国になっても使える軍勢は限られてしまうのである。この制約がこのゲームの妙味である。どれだけ大国になっても外交や陰謀で敵の数を減らしておかないと使える軍勢は4個軍だけなんてことになるのである。

収入は最初、どんな大国でも少ない。頑張って貯金して施設を建てても限界がある。そこで商人による貿易が重要になる。というより貿易の方が収入の要である。これを活用していけばゲーム終盤には1000ゴールド以上の収入が得られるまでになる。

このゲームの肝がランダム配置される資源である。この資源を開発していくことで建物を解禁したり、王国に大きなバフをもたらす「アドバンテージ」を解禁できるのである。ただこの王国のアドバンテージ、前作ほど強力にはなっていない。なお資源は他国との貿易でも入手できる。
なお前作からの改良点として、必要なすべての資源が一つの州に集まっている必要はなくなった。大理石の彫像やインクや羊皮紙や絨毯が別々の州で産出していても資源は全州で利用できるようになった。羊と鉱物が同じ州に産出されるまでリセマラしたりしなくて済むようになった。


この永遠のヨーロッパの戦乱であるが、ゲームの勝利が二つ用意されている。

一つは「世界皇帝」の座に就くことである。
これはヨーロッパの「列強」の投票によって行われる。全会一致でなければならないので列強すべての国とある程度の友好を保っている方がいい。といってもそんなに高くしなくても表を入れてくれるのだが。

もう一つは前述の「王国のアドバンテージ」をすべて解禁することである。
これは必要な資源を集めれば可能なのでハードルが低いように思えるが、資源を算出するプロヴィンスを抑えるために戦争に訴える必要もあるだろう。このゲームにとって資源はゲーム勝利にも必須なのである。


軍勢の制約や資源の活用、そして外交がこのゲームを面白くしている点である。この辺を楽しめればこのゲームは時間泥棒になる。逆にクルセイダーキングスやトータルウォーの類似品、史実のヨーロッパを期待していたら期待外れになると思う。



ただ、まあ、3DCGといってもまあまあな感じであるし、内容は十分面白いけれど価格はちょっと強気じゃないかなあとか思ったりしなくもない。
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