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Posted: 14 Oct, 2023 @ 5:03am
Updated: 14 Oct, 2023 @ 6:05am
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「カラテカ誕生秘話」

概要

メイキング・オブ・カラテカは、1984年に登場した有名横スクロールアクションゲーム"カラテカ"のドキュメンタリー作品である。なお、当時発売されたカラテカ(移植版も有り)からリメイクまで含むいくつかのゲームも付属している。

日本語があるので困ることはないが、一部文字化けがあったりもする(大きな影響はない)。

ドキュメンタリー

カラテカ作者のジョーダン・メックナーの子供時代から始まり、どのようにしてカラテカが誕生していったかをおもに描いている。その他にも世に登場することがなかったカラテカ2についても最終チャプターで触れられている

以下はチャプターと簡単な説明となる。

チャプター1: Deathbounce (ジョーダン・メックナー氏のゲーム開発黎明期)
チャプター2: カラテからKARATEKAへ (カラテカの開発記録)
チャプター3: 現実から描く (革新的だったアニメーション)
チャプター4: マスターピースのマーケティング (カラテカ発売後の反響)
チャプター5: 「KARATEKA II」 (アイディアとその後)


- 筆者の感想

家族の協力があってのジョーダン・メックナー氏なのだと思った。特に父親の協力は素晴らしく羨ましくもある。協力的で応援してくれる両親や妹がいたからこそ、ゲームクリエイターとしてのジョーダン・メックナー氏が誕生したのだなと感じた。

カラテカが1984年当時では画期的であることを、数名のゲームクリエイターの声で知ることができた。特にアニメーション部分への努力はもの凄いものを感じることができた。家族以外の出会った人たちの協力関係もよく人に恵まれている筆者は子供時代にファミコン版で何も考えずに遊んでいたが、このカラテカという一つの作品が誕生するにも物語があるのだと知った。きっとどのゲーム作品にもこのようなドラマがあるのだろう。

ゲーム

以下にプレイすることができるゲームを掲載する。完成品から並んでいてプロトタイプや未完成品もある。

Karateka [Apple II] (1984年12月): オリジナル
Karateka [Commodore 64] (1985年6月): 移植版。フレームは低いが音はいい。
Karateka [Atari 8-bit] (1985年10月): 移植版。フレームがやや滑らか。
Karateka Remastered [Reimagined] (2023年): リマスター版。画質もよくとても滑らかで遊びやすい。
Deathbounce: Rebounded [Reimagined] (2023年): 現代風にかなり遊びやすくしてある。
Deathbounce [Apple II] (1982年4月28日): 最初のプロトタイプ。
Deathbounce [Apple II] (1982年6月5日): 「カラーボール」プロトタイプ。
Deathbounce [Apple II] (1982年8月4日): 「リトルマン」プロトタイプ。
Deathbounce [Apple II] (1983年1月20日): 「スペーストレイン」プロトタイプ。
Karateka [Apple II] (1984年5月1日): ジョーダンのプロトタイプ。
Karateka [Apple II] (1984年7月頃): ブローダーバンド社のプロトタイプ1。
Karateka [Apple II] (1984年8月): ブローダーバンド社のプロトタイプ2。
Asteroid Blaster [Apple II] (1981年): Asteroidsのクローン。ジョーダン氏の初作品。未発売。
Star Blaster [Apple II] (1982年3月): Asteroid Blasterのリミックス。未発売。


- 筆者の感想

おもに3作品からなっている。Karatekaのプロトタイプ版のスタート時(崖を上ってきた直後)の音楽が七人の侍(1954年の邦画の代償という曲)から影響を受けていそうで、正式版では音楽が変更になっているのはそっくりだったからであろうか(ドキュメンタリー中に触れられていない)。ゲーム開発の試行錯誤もわかり楽しめるが、個人的には移植された機種毎での良い部分や悪い部分があって興味深かった。後は一つしかボタンがないものへの移植も興味深い。

Asteroid BlasterStar BlasterDeathbounceと初期の作品は上手く軌道に乗せられず苦労した。それなのでジョーダン・メックナー氏が開発してようやく成功したゲームがカラテカということになる。そのカラテカが大きなヒットとなったので、彼は若くして成功を収めたゲーム開発者の一人となった。コンピュータゲームの黎明期にはそういう人がわりと多かったが、新しく登場したものが成熟する前はチャンスが多くあるのだろう

Karateka RemasteredDeathbounce: Reboundedは現代でも遊びやすいようになっているのでおすすめ。特にKarateka Remasteredの動きの滑らかさは発売当時遊んだことがある人ほど衝撃を受けるだろう。個人的にはファミコン版(筆者が子供時代に唯一体験したカラテカ作品)がなかったので残念であったが、移植を担当した会社が日本の会社で1989年前後くらいに消滅していそうなのでその影響だと思う。

総評

ドキュメンタリーを通して、ジョーダン・メックナー氏のゲームクリエイターとしての初期の人生を垣間見れるものとなっている。それはカラテカという作品だけではなく、80年代前半のゲームの歴史の一部を知ることにもなるので、ゲームの知識や技術に興味がある人におすすめの作品となる。

残念な部分としては、日本語字幕に一部文字化けがあったり切れたりしている部分があることか。それ以外に特に不満点はない。

ゲーム部分としてもKarateka RemasteredとDeathbounce: Reboundedは遊びやすくなっているので、機会があれば多くのゲーマーに触って欲しい作品だ。

長所
日本語がある。
ドキュメンタリーの質が高い。
家族の絆と温かみ。
ゲームの歴史の一部を知ることができる。
Karatekaのオリジナル版が遊べる。
Karateka Remasteredが遊べる。
Deathbounce: Reboundedが遊べる。

短所
日本語字幕の一部が文字化けしたり切れることがある(全体の文量を考えると極わずかではある)。

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