このガイドの目標は、Mules-and-Warehouses-Extended における各Muleの機能や使い方について、日本語で詳しく解説することで、あなたのX-Universeにおける生産や交易活動がより快適なものとなるようサポートすることです。

Muleについて知る前に、前提知識として覚えておくと良いことがあります。

• X4の仕様として、スーパーハイウェイで結ばれる小セクター同士はひとつのセクター(0ジャンプ)として扱われる。これらを明示的にジャンプ数で区分することはできないということ。(*Grand Exchangeの3つのセクターなどが該当)
  
• 全てのMuleは、オファーが無い商品の輸送に従事することは無いということ。(ステーションに保管スペースだけを設定しても、その商品に関与しない。金銭の受け渡しがない役目であっても。)

各Muleのモードには名前が付けられていますが、名前からのイメージがあまり明瞭でないように思えたりなどで、どのMuleを用いるべきか混乱することがあると思います。

しかし実際には、目的によって使い分けれるよう明確に分類がなされているので、下記の早見表であなたの目的に沿ったMuleを見つけることで、スムーズに必要な情報を得ることができます。

• 売りさばきたい ⇒ M1 Travel Mule
  
  
• 買い集めたい ⇒ M4 Supply Mule
  
  
• 工場から 別の工場へ 製品を移したい ⇒ M2 Station Mule
  
  
• 工場から 別の工場/倉庫群へ 製品を分配したい ⇒ M3 Distribute Mule

放出 (商品を売り出し)
ホームステーションの販売オファーを元に、利益の出る取引を検索し販売しにいく。
販売先は、NPC派閥から自派閥、特定のステーションまで広く指定可能。

• 少量のみ生産する工場であれば、販売は放っておいてもオファーに応じてNPC派閥の輸送船が勝手に買い付けに来るのでわざわざ自前で手配するまでもない事も。
  
• とはいえ、大量生産して倉庫があふれんばかりであったりする場合に活躍する。
  
• "割引価格で商品を融通すること" "販売先を限定すること" ができるので、こちらから輸送船を差し向けることで、より積極的に特定の活動を支援するような運用も可能。

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Source Warehouse
- ホームとするステーションを指定する。
Assign Source as commander
- ホームステーションの部下として配属する。UI上の都合を除けば特にメリットはない。（副作用で設定値が固定されてしまう。後から変更するには割り当てを解除する必要があるなど不便になるので、通常は推奨されない。）
Profit Override
- 購入価格を実際より安く見積もる。100ならば販売オファー価格と一致する。(0ならば無際限に 輸送による取引赤字 を容認するという事になるが、ステーション自体は在庫を排出するぶんの利益がでるのでそこをどうみるか。)
Max Jumps
- 活動圏内とするジャンプ数を指定する。Muleは移動距離が長いことによる時間的ロスを採算に含めない為、効率よく利益を上げるためには適切な値を指定するべきである。
Lock Ware List
- 取引対象とする製品をロックし、自動で追加/削除されないようにする。
Wares
- 取引対象とする製品をロックする場合は、ここで製品を登録しておく必要がある。ロックしない場合は、取引対象と判定された製品がここにリストアップされるので確認に用いることができる。
Target NPC Shipyards
- 販売先の候補として、ジャンプ圏内にあるNPC派閥の 埠頭/造船所/設備ドック を加える。
Target All NPC Stations
- 販売先の候補として、ジャンプ圏内にあるNPC派閥の 全てのステーション を加える。
Custom Stop List
- 販売先候補のリスト。何も指定しない場合は全てのステーションを候補とする。ここで対象を指定する場合は、前オプション2つにある候補の指定 および ジャンプ数の制限 は無効となる。
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双方向 (需要を満たす) / 取引における採算は無視する
対となるステーション間で商品を融通する。
ステーションにおける生産材料を持ち込む

Muleが優先する順番

1. 生産材料として要する製品で、自給されておらず、在庫が10%未満のもの。
   
2. 生産材料として要する製品で、自給されておらず、在庫が25%未満のもの。
   
3. 生産材料として要する製品で、在庫が50％未満のもの。
   
4. 生産材料として要する製品で、在庫が75％未満のもの。
   
5. いずれかの在庫が75%を超えるもの。もしくは、生産に使われていない製品のオファー。

もし指定の条件での取引需要がない場合、セクター内全ての自派閥所有ステーションへと対象を広げる。ただしこれは同セクター内で取引が完結するものに限られる。(防衛ステーションなど需要を持たないステーションに配属する事で意図してこの動作を呼び起こせる。)

対象ステーションを物流倉庫として、買い取りオファーを自動作成して荷卸しするオプションもある。この設定は特殊なので、使用する際はMOD配布ページの説明をよく読む事を推奨。

• プレイヤーの経営する工場間で資材をやりくりする必要があるなら、とりあえずこのMuleを充当するだけでも適当に埋め合わせてくれる。
  
• 取引相手にNPC派閥のステーションを指定することも可能だが採算を鑑みないので、通常はそのような運用は推奨されない。

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Source Station
- ホームとするステーションを指定する。
Target Station
- 輸送先のステーションを指定する。
Assign Source as commander
- ホームステーションの部下として配属する。UI上の都合を除けば特にメリットはない。（副作用で設定値が固定されてしまう。後から変更するには割り当てを解除する必要があるなど不便になるので、通常は推奨されない。）
Include Energy Cells
- エネルギーセルの取引を許可する。ステーション建設/ドローン生産 の需要を満たすための輸送にはこのオプションの付与を要しない。
Include Food and Meds
- 食品と医薬品の取引を許可する。
Seller Priority
- 売り手優先とする。買い手側で不足する商品よりも、売り手側で過剰な商品の輸送を優先する。
Never illegal wares
- 違法製品は扱わない。(このオプションが付与されていなければ違法でも扱う。)
illegal Only
- 違法製品の取引に専念する。
Two-way trade
- 双方向取引を許可する。ホーム側の需要も満たすよう、復路においても輸送に従事する。
Return Seller Priority
- 双方向取引(の復路)においても、売り手優先とする。
No in-system trade
- システム内トレードなし。デフォルトでは割り当てた仕事が暇な時は、セクター内で可能な輸送を探して従事するが、このオプションを付与すると行わない。
Allow low-volume
- 少量の輸送を許可。デフォルトでは船倉の80%を埋める貨物が無ければ従事しないが、このオプションを付与すると制限されなくなる。(ステーション建設/ドローン生産 の需要を満たすための輸送にはこのオプションの付与を要しない。*最後に少量の需要が残った際に阻害しないように。)
Make Target Warehouse
- 対象を物流倉庫とする。 (詳細は前述の通り)
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双方向 (在庫の平衡を保つ) / 取引における採算は無視する
ホームステーションを基点とし、対象ステーション群との間で商品を融通する。

一対多、異なるセクターにあるステーション群に対する供給を担うことができる。
限られた在庫を満遍なく配布することが可能。

<例: Min30% Static20% Max50% とする場合>
ホーム在庫が20%を上回る場合、配送先在庫30%を満たすよう配送する。
ホーム在庫が50%を上回る(つまり、すべての配送先在庫30%が満ちている)場合において、ホーム在庫が配布先在庫より10%以上多いなら、無際限に配送する。

ホームから開始する配送に従事する場合、配送先からホームへ戻る際にも、同様の設定値を用いて判定し該当があれば配送する。

ホームから開始する配送が存在しない場合、配送先から開始する配送に従事する。この際にもホームから開始する配送と同様の設定値にて判定する。

その他の条件として、船倉の容積を 往路では80% 復路では50% 満たせなければ従事しない。

• 中心的巨大な倉庫と、遠隔セクターにある倉庫/交易ステーション群との間で、製品を配布/在庫を均すなどで活躍する。
  
• セクターを跨いだ複数ステーションへの供給を担うエネルギーセル工場などをホームとして運用することもできる。
  
• 採算を鑑みないので、NPC派閥のステーションを含めるような運用には適さない。

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Source Warehouse
- ホームとするステーションを指定する。
Assign Source as commander
- ホームステーションの部下として配属する。UI上の都合を除けば特にメリットはない。（副作用で設定値が固定されてしまう。後から変更するには割り当てを解除する必要があるなど不便になるので、通常は推奨されない。）
Min Storage
- 配送先ステーションの在庫数がこの閾値を下回る場合、搬入すべき対象とする。
Static Storage
- ホームステーションの在庫数がこの閾値を上回る場合、搬入すべき対象があれば輸送する。
Max Storage
- ホームステーションの在庫数がこの閾値を上回る場合、搬入すべきかに関わらず輸送する。
(ただし10%以上の差がある対象に限る)
Wares
- 対象とする商品リスト。何も指定しない場合は全ての商品を候補とする。
Target Warehouses
- 配送先のステーションを指定する。
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収集 (商品を買い入れ)
ホームステーション(セクター)の買入オファーを元に、利益の出る取引を検索し購入しにいく。

指定するホームによって、更にServe Source Onlyオプションの付与により挙動が変化する。
いずれのケースにおいても、買い入れるステーションの候補は、活動圏内から検索される。

<ホームにセクターを指定する場合>

1. ホームセクター内の、全ての自派閥所有ステーションに供給する。
   
2. 活動圏内の、全ての自派閥所有ステーションに供給する。(Serve Source Only がチェックされていない場合のみ)

<ホームに自派閥のステーションを指定する場合>

1. ホームステーションに供給する。
   
2. 活動圏内の、全ての自派閥所有ステーションに供給する。(Serve Source Only がチェックされていない場合のみ)

<ホームにNPC派閥のステーションを指定する場合>

1. ホームステーションに供給する。
   
2. セクター内の、全ての対象派閥所有ステーションに供給する。(Serve Source Only がチェックされていない場合のみ)

リストによって取引が許可されている場合、次の優先順に従事する。
建築用保管庫のオファー >>> 生産材料のオファー >>> その他のオファー

• 購入は放っておいてもオファーに応じてNPC派閥の輸送船が勝手に売り付けに来るのだが、買入オファー額を自動にするとまず最初に最高額をつけるため割高に買い取ってしまいがち。そこで、自身で手配した輸送船でもって市場価格との差額の利益を吸収する事で、間接的に高い経費削減効果が見込める。(つまり、出番が多い！)
  
• ステーション建設のための資材を運搬してもらうのに便利なほか、NPCステーションに配属して繁栄を支援・評判稼ぎに役立つ。

! 注意点 !
このモードに従事するMuleは、大量運用されていたり、広大な最大ジャンプ数が指示されている(=検索先が莫大になる)と、ゲームに周期的なラグを顕著に発生させることが知られている。取り扱う製品種目を限定したり、最大ジャンプ数を控え目(3~5など)にするなどで計算負荷を抑えることが望ましい。
この問題を軽減するためのオプション、"% of trades to eval"を活用するのも優れた解決手段となると思われる。

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Home Station/Sector
- ホームとするステーションまたはセクターを指定する。
Assign Ship-To Station
- ホームステーションの部下として配属する。UI上の都合を除けば特にメリットはない。（副作用で設定値が固定されてしまう。後から変更するには割り当てを解除する必要があるなど不便になるので、通常は推奨されない。）
Max Jumps From Home
- 活動圏内とするジャンプ数を指定する。パイロットスキルによって最大値に制限が課される。
Serve Source Only
- 指定された対象のみに供給する。(ホームの指定によって挙動が変化する。詳細は前述の通り。)
Collect from Player / AI Faction
- 自派閥/NPC派閥 の販売する製品を買い入れるか否か。
Allow Buildstorage / Resources / Intermediates / Tradewares
- 各カテゴリーに属する製品を扱うか否か。
Lock Ware List
- 取引対象とする製品をロックし、自動で追加/削除されないようにする。
Wares
- 取引対象とする製品をロックする場合は、ここで製品を登録しておく必要がある。ロックしない場合は、取引対象と判定された製品がここにリストアップされるので確認に用いることができる。
Max Trades
- 現状では1に固定されている。(船倉に空きが残っていればこの値分は連続で買入を続行するというものらしいが無効化されている?)
Player Buy Mod
- 自派閥ステーションからの購入価格を実際より安く見積もる。100ならば販売オファー価格と一致する。(自派閥が販売する製品を優先して取り扱うための設定。)
% of trades to eval
- 計算負荷を軽減するために処理数を制限する。（サイクル毎の取引先チェックにおいて、全体のうちこの割合の取引のみに限定して検索することで計算量を低減しラグを防ぐ。サイクル毎にチェックされる対象はシャッフルされるのでいずれは全体の取引がチェックされることに変わりはない。）
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指示してから実際に活動しだすまでには1分近くかかる事もあるので、しばらく様子をみます。
それでも動かないなという場合、指定した条件が厳しすぎて該当する仕事がないのでしょう。

以下で紹介するようなシンプルなセットアップから試し、それぞれのMulesがどの様に機能するか確認してみてはいかがでしょうか。それぞれのセットアップを順に試し、機能する状態から機能しない状態までオプション設定をいじって観察してみるのも良いでしょう。

• 小型の配達船に星が2つ以上の船長を配属します。(星が多いほど広い範囲に対応できるため有利)
  
• 以下に記載している試したいセットアップ例を参考に、任意の友好的なNPC派閥の中から適するステーションを探します。
  
• 配達船の基本行動でMule(M1~M4)を指定します。
  
• ホームステーション(もしくは対象)を先の段階で決めたステーションへ指定します。

ステーションの指定以外のオプションはデフォルトのままでも稼働するはずです。(運べる量があまりに少ないと動かない場合があります。その場合は対象を変えてみましょう。)

セットアップ例:

1. 在庫が豊富そうなソーラーパワープラントに M1 Mule を設定してみましょう。
   
2. 在庫が不足がちなマイクロチップ工場に M4 Mule を設定してみましょう。
   
3. 鉱石製錬所 → 船体部品工場に M2 Mule を設定してみましょう。
   
4. 交易ステーション → 埠頭/造船所/他の交易ステーション に M3 Mule を設定してみましょう。

可能性1) 交易ルールの指定が不適切かもしれません。

交易ルールを作った覚えはありませんか？仕組みを勘違いしたまま作った交易ルールが阻害している可能性があるので、詰まった場合は一旦交易ルールを無しにして動作確認してみるべきでしょう。

交易ルールは以下のそれぞれにおいて指定が可能なので再確認しましょう。
ステーションにおける製品ごとのオファー / 個々の船の設定

可能性2) オファーが適切に出されていないかもしれません。

特に、M2 / M3 Mule であればオファー価格を考慮しないので広く対象にしますが、M1 / M4 Mule は、その取引によってその船自身が利益を得るようでなければ取引しません。
つまり、"ステーションでは不足してるらしいけど、利益出ないしなー" の様な状況は従事しません。
その場合は 購入価格を高く 販売価格を安く して様子を見てみましょう。

という場合は、セクターのブラックリストが疑われます。

要所のセクターがブラックリスト指定されていて通り抜けられなかったりすることで、想定しているよりずっと狭い範囲しか活動範囲とみなされていないといった事態となることがあります。
"敵の派閥が所有するセクター”を指定して制限している場合、いつのまにかセクターの所有権が変わることで通行可能な経路が塞がれることもあります。

航行制限や活動制限のブラックリストを確認してみましょう。

ともなれば残念ながら、それは不具合かもしれません。

私の知見では有益な情報を提供できそうにありません。うまくいくケースといかないケースを試行錯誤して問題を回避する方法を探るほかないかもしれません。
このページのコメント欄で問題について共有してくださっても構いません。

M3Muleは特に気難しいようです。
[QUESTION]: Can't get M3 Mule to work on DC station, same setup works on another DC? #167[github.com]

私の理解が及ぶ範囲で書き出したもののため、記述内容に間違いのある可能性があります。もし誤りに気が付いたら気兼ねなくコメントください。

このガイドを作成するにあたり、参考とした記事を以下に記載します。

X-Universe Forums: [MOD] Mules and Warehouses v4.0
https://forum.egosoft.com/viewtopic.php?t=417350

GitHub: Mules-and-Warehouses-Extended: A mod for X4 Foundations
https://github.com/Misunderstood-Wookiee/Mules-and-Warehouses-Extended