Popee
眼鏡女子   Kyoto, Kyoto, Japan
 
 
神Steamあれと言たまひければ忍耐ありき。
眼鏡女子研究(Ph.D.)

avatar by courtesy of yuta (Strange Telephone)
Review Showcase
53 Hours played
Originally posted by MARI:
もっと笑わなくちゃ! いつだって、笑顔のきみが好きなんだよ。

いちおうは「グッド」なエンディングを経たようなのでレビューを投稿します。
とても、とてもよい作品でした。

実のところこの作品のすばらしさは、藤田祥平氏によるIGN Japanのコラム
( https://jp.ign.com/omori/49627/opinion/rpgomori8 )
が完璧に語っておりますが、それでも自分で書かないではいられない、これはそういう作品です(そのコラムよりさらにネタバレ抜きで読める日本語の文章がもっとあるといい、という思いもありました。)。

(これもこのコラムで述べられていることですが)
この作品のプロット自体はそれほど新鮮なものではありません。
この作品のすばらしさは、そのプロットを展開させるあらゆる要素のすばらしさにあります。

奇妙で暖かくてナンセンスな夢の世界と現実の世界を往復し、二つの世界が微妙に混じり合いつつあるさまを体感し、夢の世界で描かれていたことや、主人公が描きたくなかったが噴出してくることが何だったのかを知らされていく。
よく作り込まれた膨大な数のアセット、しんじがたい曲数と質のOST。
夢の世界ではその洪水に呑まれっぱなし、長大な夢はいっこうに醒めず、疲れすら覚えてくる(じっさい、本当にそこまで必要か? というぐらい長大な夢の世界パートでは中弛みを強く感じました。のちのち「効いて」くるとはいえ、非常にゆったりしたペースでイベントを見せられるのは少し辛いものがありました。)。

ところで、この作品の起動時に出てくる「死や鬱(病)、不安(障害)が描き出されます」という警告は冗談ではありません。
ほんとうは警告を出さないほうがより「効く」のでしょうが、これは冗談抜きで警告されることです。
この作品は夢の世界の裏側、現実と夢の世界の間に横たわる「何か」を炙りだすことに数十時間分のコンテンツを費やしています。これはそういう作品です。
かわいらしいキャラクターたち(Aubrey chang...)、すてきなピクセルアート、無数に挿入されるギャグ、そうした心地よいものに包まれながら、次第に濃くなる「何か」の影をぜひ感じてください。

さまざまなセリフやイベントやマップ上に点在する品々が現実の何を映し出していたのかが後から分かっていくという仕掛けによって「何か」は炙りだされていくのですが、夢の世界はどこまでも奇妙で暖かく、そして、現実もけっして陰惨なばかりの日々ではありません。
膨大な数のエピソードによって主人公と親しい人々の過去と現在が描かれ、その膨大さによってプレイヤーである我々においても親しい人々との日々が実感されていく。
そして夢の世界を貫いていたある物語が明らかになっていくとき、プレイヤーは過去の出来事を自らのものとして生々しく「思い出す」ことができるのです。これはそういう作品です。

RPGであるからして用意され、そして意外なほど多く挟まれる戦闘のシステムはオーソドックスなターン制RPGのそれに三すくみの属性(それぞれにメリット/デメリットあり)を導入したもので、特段真新しい要素はありません。
スキル使用時のアニメーションや展開によって深まる/強くなる仲間との協働ムーブ、ストーリーと強く結びついた特殊演出の数々など、アートや演出面が光ります。戦闘パートはそれ自体を(そこだけ切り出してもじゅうぶん満足できるコンテンツとして)堪能してもらうものというより、あくまで他の要素と結び付いて物語を駆動させる要素として用意されていると考えた方がよいでしょう。

なお、ここまで「何か」だの「ある物語」だのと書いてはいますが、プロット自体にたんに見ているだけでは理解できない部分や全く語られずにプレイヤーが推測するしかない部分があるというわけではありません。
「そういえば…」と思い返すとその異様なまでの作り込みに気付かされたりOMORIの内面を想像することができるのであって、メインのおはなしを楽しむためだけにwikiを巡ったり「考察動画」の類を観る必要はないため、気楽に――といっても、扱われているテーマは重く暗いものですが――楽しむことができます。

ちなみに、やりこみ要素や全く通らなくてもクリア可能なエリアや「そんなんわからんやろ」と思われるようなwikiでも見ないと辿り着けないコンテンツも充実しており、深く掘っていく余地はあります(ネタバレを避けるためにあまり詳しくは書けませんが。)。

繰り返しますが、色々なところで言われているように、この作品はOMORIの膨大な苦悩を包み込んでくれる長大な夢の世界をていねいに描いたが故に、中盤で中弛みを起こしてしまっています。途中でプレイを中断する方もいるかもしれません(告白すると、私もそうでした。)。
ですが、その長い夢の果てに何が待つのかを知ったとき、「あのときの出来事はそういえば」と、過去の(じっさい、通してプレイしていても数十時間前の)イベントを思い返すとき、その長大さは主人公のこころを描き出すのに必要不可欠だったのだと感じることでしょう。

すべての出来事の後に主人公が辿り着いた場所。
そこから展開されるさいごの出来事たち。
画面が曇ったのは彼の心情を表す演出なのでしょう。
White Spaceにある涙をぬぐうためのティッシュが気がつくと私の手元にあり、幾枚ものそれが取り出されたそばから濡れていっていたのですが、それは関係のないことです。

さいごの出来事たちが眼前に繰り広げられるなか、「お願いです、どうか、」という思いは主人公からでなく、間違いなく私自身から湧き上がるものとなっていました。

これはそういう作品です。

Originally posted by MARI:
もっと笑わなくちゃ! いつだって、笑顔のきみが好きなんだよ。
Artwork Showcase
Fake ending
12 3
Namsan 5 Jan, 2018 @ 7:05am 
HAPPY:csgohelmet::csgocross::chainsaw::nonplussed_creep::csgohelmet::csgocross::chainsaw::nonplussed_creep:NEW
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YEAR:csgohelmet::csgocross::chainsaw::nonplussed_creep::csgohelmet::csgocross::chainsaw::nonplussed_creep:2002
rkatsu1 9 Feb, 2017 @ 3:16am 
Thw WIld Eightの件でチャットにメッセしましたー。確認をお願いします。
Natsuki 27 Jan, 2017 @ 3:28am 
Happy Spring Festival's Eve !:omu:
MisoNoodle 31 Dec, 2016 @ 8:41am 
☆*゚ ゜゚*☆Д нαρρy ЙёЩ ЧёαЯ!!☆*゚ ゜゚*☆
Namsan 31 Dec, 2016 @ 7:18am 
:papyrus::papyrus::papyrus: HAPPY NEW YEAR :papyrus::papyrus::papyrus:
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:bloodsplat::deadrat::bloodsplat::deadrat::bloodsplat::deadrat::bloodsplat::deadrat:
落胆 10 Dec, 2016 @ 4:20pm 
トレード了承ありがとうございました:shigure2: