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Posted: 9 Jul, 2023 @ 11:48pm

人生、変わりました。
自分はゲームは勿論文学映画ドラマアニメーション、日本海外問わず興味を持った作品は食わず嫌いせず触れる性分なのだが、そのきっかけとなった作品がこの『G線上の魔王』だった。
泣けると言われても所詮エロゲーだろと言う思い込みは木っ端微塵に砕け散り、同時にあらゆる創作に対し思い込みだけで距離を取るのがいかに危険かを痛いほど思い知らされた。
「よく知りもしないのに決めつけるのは、よくないことでしょ?」
これは作中の登場人物、美輪椿姫の言葉なのだが、本当に良くない。世の中評論家気取りが碌に対象を知ろうともせず偏見で語る光景に満ち溢れているが、それがいかに危うい行為かはネットを見てれば嫌と言うほど分かるはず。

肝心の感想だが、このゲームの真価は「人の弱さを決して悪しきように描いていない」ところにあると自分は思っている。
作中の人物は椿姫の「無条件で他者を信頼してしまう所」、花音の「強者ゆえの傲慢」、水羽の「他者に依存しすぎてしまうきらい」、そしてハルの「過去と言う呪縛」と、多かれ少なかれ弱みを抱えている。男性陣に関しては触れれば即座にわかるだろう。
けれど、この物語でその弱みは一概には否定されていない。むしろその弱さと共存し、乗り越えていくプロセスを重視しているからこそ心に響くのだと思っている。
言うなれば「弱みを持っている人ほど響く」そんな作品だと自分は考えている。自分は過去へのコンプレックスを抱えたまま成人を迎えた身なので、この作品への思い入れも言うに及ばずだ。

ちなみにもう一つ個人的に衝撃を受けた要素があるのだが、そちらに関しては口を噤んでおきたい。プレイして理解した方が絶対にいいと信じているからだ。

締めに少しだけオタクの自我を残しておきたい。
人生諦めていた自分を救い上げてくれたのは美輪椿姫でした。未来永劫、自分の推しも恋人(自分は嫁とは言わない)も椿姫だけです。
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