Recent reviews by kaihatu

簡単に説明すると：
ヤバいものをがっつり収容する政府施設がヤバいことになったのでヤバい女がやってきて解決する話です。
ヤバいですね。

がっつり主観でざっくり説明すると：
冒頭からプレイヤー置いてきぼりで物語が進行していくので
なんじゃこれはとなると思いますが、ひとまず進めましょう。

ゲームに精通している諸氏はこの時点で（ははぁ、さては…）とお気付きかと思いますが
CONTROLのストーリーはザッピング形式で構成されているので
ゲームを進め、話の断片をつなぎ合わせていくことで、冒頭からの流れが正しく構築され物語の筋道が見えてきます。
これはもうやるしかないですね。

アクション要素は、煩雑そうな能力の割りに直感的に使えるようにしっかり調整されており安心。
端々で登場する謎解き要素も、難しすぎて頭がフットーしそうだよぉというほどでは無いのでこちらも安心。

超自然的物体・現象を収容した施設で巻き起こるハチャメチャハプニングという設定の妙のお陰で
いつものRemedyゲー以上に不可思議な世界を走り回れるので、観光面でもオススメです。

アンサンブルスタジオ最後の作品としてRTSファンの胸に刻まれてたりなかったりするHALO WARS。
戦闘特化に調整しているRTSとしては割合シンプルかつユーザーフレンドリーな仕様なので、
XBOX360版発売当時からのお定まりな台詞ですが、RTSやったことないよという人にオススメ出来る入門作品です。
が、自ユニットが作業してるのを眺めたり、備蓄や人口の数字がモリモリ増えていく様を見て興奮を覚える
文官気質な方にはちょっと物足りないかもしれません。

Age of Empiresで名を馳せたアンサンブルが最初からコンシューマに合わせて開発したので、
XBOX360版発売から10年近く経った今でも変わらずUIの視認性とコントローラーでの操作性はお見事。
戦闘特化な分、AoEと比べると、1マップ辺りの想定プレイ時間が短く設定されているので、
暇な時間が出来たし、サクッと1マップ回したい…という時は丁度いい具合です。
一端始めると1マップで終わるわけがないので、勢いでクリアしてしまいましょう。

HALOシリーズとしては珍しく、シリーズの出来事を時系列で追いやすいクリア特典の年表も付いており、読むだけでコヴナント戦争の始まりから終わりまでの流れを何となく把握できる親切設計。
コミックやノベルで主要人物が死んだり生き返ったり消えたりしているのを、特段説明もなくゲームに反映するナンバリングタイトルの方でも
こういう細やかな気配りをして欲しいなぁと思う次第です。

このゲームにおいてプレイヤーとは山であり、その山を見つめる観察者である。

物言わぬ姿を見つめつつ、自身の終わりの時をただ待つその姿は
色即是空、空即是色の体現であり、悟りめいた観念をプレイヤーに宿らせてくれる。

そして暫くの思索と観察の後、これ電気代もったいねえな……と悟る境地に至っては、
運命の神の見えざる手によって山としての生を終了させられる諸行無常の理に、
あるいはプレイヤーである私も同じような運命を辿るのではないかという、
梶井基次郎の冬の蠅にも似た、僅かばかりの恐怖と、寂寥を抱くのである。

このゲームは観察者の思想を映す鏡といっても過言ではない。
そして私の、あるいはあなたの人生の物語の縮図であるかも知れない。