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21.1 hrs on record
Hazelightから『A Way Out』『It Takes Two』に続く2人Co-op専用ゲームの第三弾。ここでは類似性が強いITTとの比較を中心に記す。

【仕様】

ITTとほぼ同じ。2人専用でソロではプレイ不可。ローカルとオンラインに対応。フレンドパス(無料)を利用すれば製品を持っていない人と全編通してプレイ可能。フレンドとのプレイ前提でパブリックでのマッチメイキング機能無し。ゲーム内にテキストチャット, 場所指定(pin), エモート, タイミング合わせの為のカウントダウン機能等は全て無し(隣り合って直接会話 or オンラインでのVC利用が前提)。

変わった点。Steam同士でのプレイの場合EAのアカウントが要らない(Steamの招待機能でOK)。フレンドパスがクロスプラットフォーム対応になった(EAアカウント要)。

【ストーリー】

ゲームプレイ第一でストーリーを重視している訳では無い所は一緒。今回は装置からの脱出が目的でその為には意見の合わない2人の協力が必要になってくるという設定となり、後半には2人の持つ人生上の問題が明らかになってくるなどややシリアス寄りのトーンとなった。ITTは特に意外な展開があるとかでは無く予想通りの結末に落ち着くといった風だったが、それに比べるとSFの方が先が読めない展開となっている。ユーモア要素は存在しているがITTにおけるガイド役の“本”に当たる者が居ないなどかなり減少しており、ITTのコメディ感が好きだった人にはガッカリとなるかも。

【ゲームプレイ】

共通点。キャラクターの選択はホスト固定では無く自由。操作デバイスも自由選択(オンラインならば双方マウス&KBも可)。オンラインでも画面分割固定で自分のキャラクターだけを全画面表示は出来ない。表示位置の左右入れ替え不可。操作キャラクターの変更は一度終了させれば入れ替え可能。ローカルならばコントローラーを交換でもOK。

ゲームの構成はほとんど同一。様々な世界設定が次々に登場、操作キャラクターも様々な生物や物体へと変化。画面構成も基本の左右分割から上下分割, 不均等分割, 全画面共有, 2D, 見下ろし視点などと目まぐるしく切り替わっていく。同じ様な環境で長くプレイが続く事は無く、ひたすらに新しいプレイ感へと移り変わるという内容である。2人の役割(能力)が異なるというパターンが多いのも一緒で一時的に担当の仕事を交換するという風には出来ない。

ITTでは所々に用意されていた対戦のミニゲームは無くなった。今回はサイドストーリーと名付けられたポータルが用意されており、オプションのこれを通じて臨時に別世界にアクセスするというシステムに変更。中身は結構長い別のストーリーになっている物も有れば、短い対戦のミニゲームになっている場所も有る。

あらゆるゲームプレイを詰め込んだ感じの構成に変わりは無いが、バラエティさという点ではITTの方が若干上か。ITTは子供の想像するファンタジー世界といった風で何でも有りの世界観だったが、今回は主人公2人が考えたSFとファンタジーの小説世界を背景にしている為、SFだが世界の方は見た目がそこまで特異では無いしファンタジーの方も大人寄りになっている。その結果として世界観のハチャメチャ度合いとしてはITTの方に軍配が上がるという印象。

ただしSFのラストチャプターは必見。開発者のジョセフ・ファレスは「これまでには存在しなかった画面分割プレイが体験出来る」と豪語していたが、正にその通りでここではITTにも無かった様なゲームプレイが用意されている。このアイディアを拡張して別に一本ゲームが作れるのではないかと思える様な斬新さで、「画面を分割する」という方法の新しい地平を体験出来る。脳がバグる様な感覚に陥るこのラストチャプターはSFがITTに勝っている点と言える。

【ボリューム】

SFの方がITTよりも確実に長い。両プレイヤーのスキルやサイドストーリーをコンプリートするかなどによっても変わるが、同じコンビでのプレイだとしたら2~3割程度は長くなるのではないか。急げば10時間程度らしいがいずれにせよ1回のセッションでは厳しく、複数の日程を確保しておくことをお勧めする。

【難易度】

レビュー解禁と同時に絶賛となったSFだが、そんな中である懸念が幾つものレビューで言及されていた。それは難易度の上昇という件である。これについて書いておくと確かにITTよりも難易度は上がっている。だが元々ITTは「普段こういったアクションゲームをやらないパートナーとでも遊べます」といった感じで夫婦(カップル)や子供とのプレイにも適合するファミリー向け作品という色が強く、それ故に「難易度が低い&難易度設定が無い」という批判も出ていた。それが今回は普通のアクションゲーム程度の難易度になったという意味合いで、高難易度ゲームになったという事では無い。

よって立場によって反応は異なるだろう。普段同タイプのアクションゲームをプレイしている層には、緊張感を持ったアクションが増え難易度が適正に近付いた事でプラス。一方でITTが丁度良い, あれ以上になると限界といった普段この手のゲームをやらない層にはマイナスと受け止められる恐れがある。後はとにかく高難易度を求める層にはマシにはなったはずだが相変わらず難易度設定は無いので物足りない可能性が高い。

制作側もこの辺は理解している様で調整機能は用意されている。まずボタン連打は「長押し or 自動で成功」を選択可能(個別)。次に被ダメージを軽減して死に難くする設定有り(個別)。そして究極の設定として全てのパートを次のチェックポイントまでスキップ出来る機能を搭載(共通設定)している。だが「どんなプレイヤーでもクリア出来るのだから問題は無い」という話では無いので、広範囲に受け入れられる為には修正を加えた方が良さそうではある。ITTでも発売後にボタン連打の簡易化設定が設けられた事例も有るので、今回も更に簡易化の設定が追加されるかも知れない。

【難易度上昇の原因】

ITTでは、片方がアクション担当でもう1人が(足場の出し入れ等の)補助役, ゆっくりだが精密な操作を要求される, 2人でタイミングを合わせて操作するといったケースが多く、時間制限は無い, パズル重視でリラックスしてプレイ出来るシーンも多かった。対してSFではアクションを要求される度合いが増えている。例えばAがアクションを実施している際にBは固定された場所で補助操作のみを担当するというパターンが減り、2人が同時にシンクロしてアクションを達成しなければならないというケースが増加。Aの移動に連動してBもアクションにて移動しながら付いて行かないとならず、移動先での補助操作が1箇所でも遅れるとそれで全体が失敗となる, 乗り物に乗って移動の際に2人が独立したアクションを達成しなければならない等。更に時間制限が設けられているのでアクションを急いで成功させないとアウトという箇所がかなり増えているという印象。

死亡が発生する戦闘パートも相当に増えており、ボス戦なども多くが多段階型になっている。だが両方同時に死ななければセーフというのは同じ。また同時に死んでもチェックポイントの間隔は短いという所は親切設計。

また操作入れ替えの方もやり辛くなっている。ITTでは動的な操作担当&静的な操作担当というパートでは、動的なアクションをする方が上手く出来ない際にコントローラー交換(オンラインならばキャラ交換)で対応するという手が有ったが、SFでは両方が同時にアクションをしながら連係するというパターンが増えたのでこれが通用しないケースが増加してしまう。

【付記: 問題になるかもしれない描写】

ITTではあるシーンでのぬいぐるみの扱いに関して反発が結構出ていたが、今回はこういった残虐な行為?に当たる様な批判は(目立っては)出ていない。SFで人によっては問題となりそうなのは“虫”関連の描写についてだろうか(描画の修正オプションは無し)。一つは丸いボールになって移動するシーンにて、このボールが小さな虫の様なロボットの集合体構造であり(ミオのみ)、変型しバラけて移動する際には小型の虫が固まって移動しているようにも見える。

もう一つはムカデ風の巨大生物に乗ってプレイするシーンで、ここはロボットでは無く生物なのでより生きている多足類に見える為に苦手な人には問題となりそう。しかもこのパートは長い上に難易度も高めなので気持ちが悪いと更にキツくなる恐れあり。

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Posted 22 March. Last edited 22 March.
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2.1 hrs on record
※Ver 1.31におけるレビュー

【概要】
いわゆる“バレットタイム”を用いてプレイするFPSなのだが、自分が動かずに停止している時に自動的に発動するというシステムになっているのが特徴。よってクールダウン無しに幾らでも使う事が出来るが、逆に移動中に任意で発動させる事は出来ない。

レベル単位でのプレイとなりボスとの一騎打ち形式。敵は弱点となるコア(光球)を露出して来るのでそれを撃ってダメージを与えヘルスをゼロにすればクリア。対して敵の弾幕攻撃が当たってしまうとダメージを受け自身のヘルスが無くなればゲームオーバー。レベル途中でのセーブは出来ない。

【ゲームプレイ】
実際にプレイしてみないとどういった内容なのかが解り辛いタイプの作品。敵のコアは動き回るが幾らでもスローダウンを使えるのと、その間のマウス感度は極端には落ちない為に命中させること自体は難しくない。大抵のFPSでは自身が動きながらも(動き回る)敵に的確に狙いを付けるというスキルが要求されるがこのゲームではほぼ移動中には撃たないのでそれは必要無い。

逆に敵の弾幕を避けるスキルが要求され、そこに面白さが在るというゲーム性である。まず弾幕系に多い2Dゲームでは無いので自身の体は見えず、どの位までならば弾を避けられているのかという感覚を掴むまでが難しい。それと幾らでもスローダウンしてくれるのは弾幕を避ける意味では大変ありがたいのだが、避けようと自分が動いた瞬間に世界のスピードが元に戻ってしまうという件が曲者。(昔からの)FPSゲーマーであれば飛んで来る敵の弾を目視でかわしていくという体験にはお馴染みだろうが、その弾の速さが途中で変化するとなると話は変わってくる。止まっている時に弾の軌道をじっくりと観察する事は可能だが、避けようと自分が動き出した瞬間に弾の方の速度も元に戻って急加速する為に、その加速込みで避けられる動き出しのタイミングを計らないとならずこれがかなり厄介。やはり慣れるまでには時間が掛かる事になるが、ギリギリで見切ってかわすのに成功すればそれが快感になるという風にもなっている。

【成長システム】
プレイの度にポイントを得られてそれを各種能力のアップグレードに自由に振り分けられる。これはレベルのクリアに失敗しても成績に応じて与えられるので、繰り返し失敗しても強化によって能力を上げる事でクリアに繋げられる可能性もあり。またリセットして振り直しも出来るのでもし成長し過ぎたと感じたらリセットして初期状態に戻して進めても良いし、好きなだけ振り直して好みの成長度で止めるという融通も効く。

【ボリューム・難易度】
クリアまで凡そ2時間前後のボリュームと思われ、レベル数は多くないがその分低価格である。難易度設定は無いのでリプレイ性はタイムアタックを楽しむ人以外だと薄い。レベルの並びは徐々に難しくなっていくという感じでは無く「慣れてくる, 強化で成長している」という点を差し引いても前半の方が難しい物が多かったという印象。

【補足】
操作キーのアサイン可○  マウス感度変更可○  マウスY軸反転可○  明るさ調整不可×
視点は一人称のみ   FOV調整不可×  FPS制限不可×
Posted 10 January.
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0.8 hrs on record (0.7 hrs at review time)
日本人制作者によるホラーゲーム。作者によれば30~60分程度のボリューム。V1.0.1でのレビュー。

(24/06/27更新) V1.1.0のアップデートによる変更箇所を修正。なおこのアップデート前にゲームを一度でも起動した事がある場合、セーブデータのフォルダを削除して新規状態にする必要がある。場所はパッチノートを参照(このフォルダはWindowsの隠しフォルダを表示する設定にしておかないと見えない)。


惨殺された死体だらけの凄惨な屠殺場から脱出する事が目的のホラーで三人称視点を採用。追っ手となるのは父とその娘でプレイヤーキャラクター側に攻撃手段は無く、逃走アクションと物陰に隠れるステルスで切り抜ける事になる。ジャンプスケアは軽度な物が数回あるのみで全体的に怖さはあまり無い。

特徴は過度なゴアやバイオレンスで、バラバラになった人体が転がっていたり拷問された遺体が有るなどグロ度が高め。他の捕獲者の殺害シーンの演出も多い。CEROではレーティング的にアウトとなるであろうシーンも一部含まれる。有名所では『Outlast』が連想されるが性器の露出表現などは無し。その残虐さが個性となっておりゲーム中では一番評価出来る点と言える。この手の雰囲気が好きな方にはお勧め。

逃走パートは簡単では無いが、難易度は2種から選べるし死んでもオートセーブの間隔が短いのでストレスは少ない(カットシーンはスペース長押しでスキップ可能)。1箇所だけ時間制限の有る中でクリアに必要な情報を見付け辛いシーンが存在しておりそこは改善要(必要な情報へのUseキーの範囲が狭いので見逃し易い)。現状ステルス追跡時のAIにはやや問題が在り、屈み(このゲームでは伏せ)で見付かり難くなる設定なのだが攻撃を受けている際に伏せてもそれでこちらを見失ってしまったりする。そんな穴も存在するが全体としては易し過ぎず難し過ぎずでバランスは丁度良いのではないか(ノーマル難易度)。

必要なアイテムをマップ内から探し出して来るという普通のスタイルでアイテムはハイライトされるので解り易い。だがマップ内は暗い場所が多く、また明るさを上げても暗いと設定されている場所は暗いままで見えないという設定(フラッシュライトの類は無し)。内部はある程度は広く見た目も似ているので慣れるまで迷う恐れはある。


明るさ, ヘッドボブ, モーションブラー, 画面ノイズは設定可。一方で要望が特に多いマウスのY軸反転とKB操作キーの変更には対応していない。
※V1.1.0にてマウス反転の設定が追加

フレームレートは30と60の切り替え式。フルスクリーン, ウインドウ, ボーダーレスフルに対応。

FOVは固定で変更不可。可変要望はほとんどのゲームで出るものだが、特にホラーの場合見せ方にも影響するので制作側としては可変にはしたくないという事情もある(敵をアップで見せたいのでカメラ位置を出来るだけキャラクターの近くに固定する等)。ただ問題に感じる所もあり、三人称なので壁等を背にした際にカメラ位置がオブジェクト内に入り込むのを避ける為に肩越しなどへと移るのだが、狭い屋内なので周囲を見渡した際にこのカメラ位置切り替えが頻繁に発生して見難いという状況は発生していた。

※V1.1.0にて以下の光の明滅をオフに出来る設定が追加
 留意点として他の方のレビューでも複数指摘されているのだが、ゲーム内に不規則な光の明滅が発生する箇所が有る(序盤の限られた箇所のみ)。それに対して光敏感性発作に関する注意喚起を強化したという対策も出ているのだが、正確には「これまで他のゲームでは光の明滅において何の問題も無かった人であっても、何等かの障害発生の恐れがあるレベルの明滅」なので注意が必要である(光敏感性発作の自覚がある人はプレイを控えてというだけの話ではない)。具体的には画面を見つめていられないのでプレイ出来ない, 気分が悪くなるといった件。

インディーズのホラーでは広告宣伝費などはまず無いので、動画実況により存在を知ってもらったり話題を集めたりが重要視されている。そんな中でこういう問題が在ると、視聴者数が多くなるほどその明滅による障害を訴える人が出る可能性は当然高くなる。そうなると、自分の動画視聴者にそんな問題が起きては困る, 自分自身に障害が発生してプレイ出来ない, そのパートを編集してから公開する必要が発生し面倒といった理由から動画公開を躊躇する配信者が増える恐れがある。作者からは「ホラー表現の一部なので変更するのか等は今後検討する」というコメントが見られるが、この大きなデメリットを考慮すると対応した方が良いのではないかと感じる(この件を修正したストリーマーモードみたいな描画設定が選べる等)。


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Posted 19 June, 2024. Last edited 27 June, 2024.
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A developer has responded on 27 Jun, 2024 @ 1:58am (view response)
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2.7 hrs on record
このゲームに関してよく知らないという方向けにその歴史を簡単に振り返ってみる。

『Last Year』はElastic Gamesが開発した5vs1の非対称型対戦ゲーム(対戦専用でシングルプレイやCo-opには非対応)で当初の名称は『Last Year: The Nightmare』。このジャンルの黎明期(2015年頃)にホラー物として『Dead by Daylight』『Friday the 13th』と並び話題になっていたタイトルである。

しかし開発の遅れによりこの両者に対して発売に大きく差を付けられてしまい徐々に話題性も低下。それでも当時新進企業として大躍進していたDiscordがゲーム販売事業にも乗り出す事になり、その目玉機能'First on Discord'(90日間先行独占)の初代ラインアップ中の一つとして遂に2018/12にリリースされた。

スタート時におけるゲーム自体の評価は良かった。しかしDiscordのゲーム販売事業の方はサッパリ話題にならずに失敗し(1年で販売事業自体が終了)、それ故にゲームの露出度(話題性)は限定的に。それでも90日の限定が終わってSteamで解禁されればそれを待っていた多数のユーザーが流れ込んで盛り上がるはずという期待があったのだが、追加コンテンツの充実を理由にリリースは延期されて情報も少なくなり結局Steamで販売されたのは2019/12になってから(名称は『Last Year』に変更)。ここで大きく間を開けて盛り上がりに水を差したのがかなりのダメージとなってしまう。

人口データを見ても初期の盛り上がりからして控え目に終わりすぐに低迷状態に。そうなると売り上げも伸びないから開発も進まず。話ではコンソール展開で活路を開こうとして売り込みに回り契約までこぎ着けたそうなのだがコロナの影響で破棄されてしまい万事休す。給料が払えなくなって社員もいなくなりCEO一人だけに。そこからは90%オフで投げ売りしたり、Discord時代のバージョンを『Last Year: The Nightmare』のタイトルで別にストア頁を設けて定価販売したり(助ける気がある人はこれを買って寄付して欲しいの意味合い)となりふり構わぬ行動を採っていたが遂には倒産。セーブデータは運営側保存の常時オンライン形態なので以降はゲームを起動する事も出来なくなった。

だが2023/05になって基本無料のタイトルとして突然のストア復活。ゲームのファンだった有志達が設立したらしいUndaunted Gamesがゲームの版権を獲得して、開発の続行と共にストア上でもプレイが可能にされた。


ところが2024/03時点での状況なのだが雲行きが怪しくなってきている。計画ではゲームをUnreal Engine 5へと移植して実装されずに終わっていたChapter 2を追加するという話だったのだが、Undaunted Gamesからは別のタイトル『Forest Hills: The Last Year』を有料作品として販売する事にしたという件がアナウンスされている。世界観や基本システムなどは同一でキャラクターなどにも共通性はあるが、舞台をアウトドアの森へと移して墓場等のマップを含んでいるという内容。

この路線変更には賛否は有るがどちらかと言えば不満が多目で混乱している状態。「基本無料ではなくなるのは反対」, 「初期のファンからすると定価で購入したのにChapter 2は実装されずに終わり、それでまたCH2を別ゲームだとして金を払わされるのか」, 「基本の設定は高校内の出来事なので他のロケーションに舞台を移されるのには反対」等。有料作品と無料枠品に分かれるなら開発に力が入るのは当然有料作品の方であり、そうなるとこの『Last Year』のCH1の方が好きだからこちらをグレードアップして欲しいというファンには好ましくない流れとなる。

https://steamproxy.net/steamstore/app/2864310/Forest_Hills_The_Last_Year/
Posted 1 June, 2024. Last edited 1 June, 2024.
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0.2 hrs on record
ゲーム全編を通して腸内を内視鏡視点で探索するという非常に特異な設定のホラー(“colon”とは結腸の意味)。主人公は内視鏡治療の世界的な権威で、彼が5人の患者を順に診察する5日間を描いている。グラフィックスはPSX(PS1)スタイルを採用。日本語対応しており一部変な所も有るが機械翻訳では無くまともな部類。

ゲームプレイはシンプルで、移動は前後左右に上下(QとE)を加えた物。設定的にルートの分岐も無くただ前へと進めるのみで、後は5種類のツールを切り替えて各種の治療を行うだけである(なお医学的なシミュレーターとしてリアルという訳では無い)。操作等のアクションにスキルが必要では無いし、リソース管理やパズル要素も無し。おそらくだがゲームオーバーも無い。よってかなり作業感が強いゲーム性となるが、そこにホラー要素を絡めて面白さ(怖さ)を出そうというのが狙いとなっている。

各患者共3マップ構成でそれ単位でのオートセーブ方式(チャプター選択は不可)。全員の治療を完了させてグッドエンディングを迎えるのに2時間半程度のボリューム。治療を完了せずに先に進める事も可能なのでそうするならばもっと早く終わる。成功と失敗に応じて各患者の治療後に語られる後日談が変化するというシステム。

評価出来るのはやはりその突飛なアイディアで、体内に入り込んで病原体と戦うといった設定は他ゲームにも存在しているが、内視鏡での探索というのは奇抜だしホラー物としてもユニークである。よって大量に溢れかえっている定番のホラー物に飽きている人には新鮮に映るだろう。それと主人公は“現場”の外に居る為に命の危機感的な怖さは薄いのだが、その代わりに「気味悪さ」や「気持ち悪さ」を押し出したホラーとなっておりその意味でも変わっている作品。体がゾワゾワする様な感覚が好みという方にお勧めしたい。

欠点は全体の構成で、まず最初の患者は普通の治療であってチュートリアル的な内容となりホラーでは無い。2番目の患者の依頼は特異な内容ではあるのだが、これも現実的な治療の範囲内であって異常感はあるがホラーと言うのとは違う。そしてリアルさを離れたホラー展開となるのは3番目の患者以降という形になっており、ホラーとなる割合が全体の3/5だけという所が残念。1,2番目だけで1時間程度を費やす為にここは作業感の方が強く出てしまっており、最初か2番目の患者をチュートリアルと位置付けてその後にホラー展開の患者を5人揃えるという構成だったら遥かに良かったのにと感じられる。後はラストの患者はそれまでとは路線が異なった内容で意外性を狙ったと思われるのだが、個人的には外して失敗してしまっているという感想で3,4番目と同じ方向性で行くべきだったのではないかという意見である。


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Posted 15 March, 2024.
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1.2 hrs on record
表現規制に関して

まず基本としてこのゲームは2006年にXbox 360用として発売されたのだが、その際に日本版では残虐な表現の規制が行われていた。それが2016年にPCでもリリースされる事になり、グラフィックスのアップグレードの他に表現規制の方も解除されて全世界と同一の内容になっている。ところがその撤廃されたはずの表現規制が元に戻ってしまっているという情報を目にして気になったので調べてみた。

SteamDBを参照してみると、確かにPackagesの箇所にてSubIDにグローバル版(日本以外の全世界版)とは別に日本だけで販売されている物の登録が確認出来る。アップデート履歴を参照すると2023/06/26に以前の物の販売が停止させられており、これはニュースにもなった「諸般の事情」とされて説明が無いままに短期間ストアで販売停止になっていたタイミングと一致する。現在日本ストアからカートに入るゲームのバージョンのSubIDを確認すると(916228)で、これは上記の日本のみに販売されているバージョンである。
https://steamdb.info/app/427190/subs/


自分の所持している物を確認して見ると、数年前にインストールした時点から全てのファイル日付は何も変わっていないし、オンラインで起動してみても何も更新されない(Steamではインストール済みのイメージをコピーする方式なので、個々のファイルやフォルダが実際に作成・更新された日付では無く、全てインストールを実施した日時になっており以降更新があれば変化する)。またレビュ欄には「今買うと規制版になる」というコメントが見られる。

だとすると上記の切り替え日以前に購入しているケースではそのまま規制無しの全世界共通版の所持状態が維持されて(あえて規制版へのアップデートは行われず)、2023/06/26の切り替え後に買った物は内部ID的には別扱いの規制有りバージョンとなっている可能性が高い。なお一度アンインストールしてから再インストール後にプレイにて確認してみればハッキリするが裏目に出ると面倒なので試していない。もし切り替え日前に購入している&切り替え日後にインストールしている状態でプレイしてみて、それで規制無しが確認出来るのならばこの推測は正しい事になる。

その場合に無規制版の入手方法だが、現在では海外のSteamキーの販売ショップでは日本IPからだとゲームの表示自体が行われないか、表示されても日本ではアクティベート不可の記載ありの状況。よってそういったキーを買って登録するには難易度が高いし危険も伴う。

一方でレビューには「過去のバージョンを落とせばOK」という記載も有るのでその方法は可能な様だ。Steamではゲームの過去のバージョンを落とす方法があるのでそれを使う(特定のバージョンでしか動作しないModでプレイしたい, 以前のバージョンの方が良かったといった際に利用される)。ただしSteam側がそれをOKとしている訳では無い為に推奨出来る方法では無いし、以前のダウンロードのやり方が不可にされる事も有って現在でも使える方法を探さないとならない。それと人によっては手順が難解だと感じられるかも。

注意すべき点としてCapcomはセーブデータでリージョンチェックを行うケースがあり、改めて入手した無規制版でのプレイなのだが、規制版でのプレイ時に作成していたセーブデータを用いると無規制にならない(or読み込めない)という可能性もある。


付記: 切り替え前に無規制版を購入しており、切り替え前にインストールされたデータの状態になっている方は、将来も規制版へのアップデートは実施されないとは限らないので今の内にプロパティより「ゲームファイルのバックアップ」を行って備えておいた方が良いだろう。
Posted 26 February, 2024.
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1.0 hrs on record
フランスのゲーム開発者養成スクールRubika Supinfogameの学生チームによる作品。2022年にIndependent Games Festival(IGF)の「学生制作部門」でグランプリを受賞している。無料公開作品で30分~1時間程度のボリューム。

プレイにはコントローラー必須(キャラクターの操作にコントローラーの操作感が密接な関連性を持つ)。

ファンタジー世界を舞台にした3Dプラットフォーマー。進行ルートを作る為に多種のパズルを解きながら障害を突破していく。探検家の両親が帰宅せず、2人の子供達が後を追って探索の旅に出るというストーリー。

最大の特徴は一人称でも三人称でもなく“2nd person adventure”と銘打っている所。「二人称操作」とは何かと言えば、プレイヤーが操作する方のキャラクターはカメラを所持しておりプレイ中はずっとこれを通して世界を見る形になる。相方のキャラクターはこのカメラを通して左スティックにて動かし、ジャンプなどの操作もプレイヤー操作の別キャラクターの視点を介してになる事から二人称という意味合い。すなわち自キャラは一人称, 相方キャラは二人称操作という設定になる。

プレイヤー自身は通常右スティックでの操作になるが、フリーモードに切り替える事で移動と視点を自分のキャラだけの操作にする事も可能(パズルを解くのに必要)。2人キャラクター操作という面ではやはり『Brothers - A Tale of Two Sons』が連想されるが、あちらは外部視点から2人を動かすという形だったのに対し、このゲームでは自分自身のキャラクターが移動する事でカメラ視点の位置を自由に動かせるし、自分のキャラクターをどこに位置させるのかがパズルを解く上で重要になったりと大きく異なる。

なお三人称視点と二人称視点は何が違うのかと言えば、三人称視点はカメラがゲーム世界の外に在るので、そのカメラ位置と世界内のキャラクターの行動には関係が無い。対して二人称視点ではカメラがゲーム内世界に居るキャラクターに置かれている為に、カメラの位置はそのキャラクターの移動範囲内に制限される。具体例としてプレイヤーキャラAは相方キャラBが見える位置に居なければBを操作出来ないし、Aがプレッシャープレート等に乗っていなければならないケースでは視点がそこに限定されてしまうといった制限が生じる(つまりはそれを解決させる方式のパズルが作れる)。

物凄くという程ではないにしろこのユニークな操作感覚とパズルの解法により高評価されていると言える。グラフィックスのレベルは高いしちゃんとしたボイスも実装されているなど、全体的なクオリティは優秀で推奨出来る作品。
Posted 24 September, 2023.
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1.5 hrs on record
ギリシャのTzavis Studioのデビュー作。V1.5.0での評価。

まず日本語に対応はしているが質が良いとは言えないレベル(機械翻訳ほど酷くは無い)。“close”「閉じる」を「近い」と訳したりなど単純なミスも多い。(ストアの記載でもハッキリしていないが)主人公が兄なのか弟なのかは文によって記述にブレ有り。またフォントの問題で表示が重なって読み難くなってしまったりも発生する。

主人公ジョナサンは運転していた車での事故の際に炎上する車から逃げ出せたのだが、兄弟のクリスチャンは助け出せずに彼の目の前で焼け死んでしまう。それを自身の罪だとして悩み追い詰められたジョナサンは自ら命を絶つが、死後の世界で目覚めた彼はそこで再び兄弟の死と向き合う事になるというストーリー。

ホラーだとされているがハッキリ言ってホラーとしての出来映えはかなりの低評価になる。ジャンプスケアを多用しているがビジュアル的にも怖さがまるで無いし演出自体も陳腐。発生のタイミングとかもありきたりで予想が付いてしまう。また暗い場所が多いだけで雰囲気面でも怖さは感じられない。よって怖さを期待している人には全くお勧め出来ない作品である。

だが異世界(悪魔の居る世界)をパズル(アイテム探しが主)を解きながら彷徨い歩くナラティブな作品として見るなら悪くない。「悪魔の書」と呼ばれる書物が中心的な役割を果たしており、プレイ中は常にヒントとしてこの書を参照する様に勧められる(中身から一部の文章が表示される)。“悪魔”とあるが邪悪とか異端な内容ではなくキリスト教(イエス・キリスト)に関連した文面で、ゲームプレイの方もそのキリスト教的な世界観に沿っている。私自身がキリスト教に詳しくないというのもあって説明し辛いのだが、自身の罪だとして苛まれるジョナサンが「本当にあの出来事は自分の罪なのか?」を判断する為に様々な体験に向き合うといった内容である。

キリスト教徒が多い欧米圏のプレイヤーがどう感じるのかは解らないが、よく知らない身からするとかなりユニークな体験という意味では印象に残る(ストーリー面ではという意味で謎解きのゲームプレイは普通)。例えば各実績の説明を読んでみてもこれが風変わりな作品なのは想像出来るだろう。よって個人的にはナラティブなゲームという件を前面に推し出してホラー要素はあまり強調しない方が、売れ行きや評判という観点からすると良いのではないかと思える。

追記: キーの割り付け変更が出来るのは親切。またオートセーブ地点を履歴として残してくれるので、マルチエンディングのもう片方を体験するのにも簡単となっている。Useの対象物を指すとカーソルが変化して教えてくれる仕様だが小さく薄い表示なので見辛いという欠点もあり。マウス感度も調整内では低い範囲に設定されている。

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Posted 24 September, 2023. Last edited 24 September, 2023.
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0.5 hrs on record
Early Access Review
2023/08/22 時点のバージョンでの評価。

現在早期アクセスで今後2つのチャプターを追加する計画になっており価格もそれに伴い上昇する予定。

現段階では評価が困難なので一応“Good”にしておいたが、完成版になった際に改めて評価をしようと考えている。

その理由は、ストアの説明にはステルスで行動するサバイバルホラー, ストーリー重視などと宣伝されているのだが、実際には現在のバージョンは単なる迷路ゲーである。キラーが追ってくる中を迷路の出口を探して逃げ回るというゲーム性が30分ほどずっと続くのみのアクションホラーゲームであって(ロッカー等に隠れるという事は出来ない)、上記の様なコンテンツはまだ存在していない(ストーリーも数枚ドキュメントが入手出来る程度)。よっておそらくは宣伝通りのコンテンツが盛り込まれるのであろう完成版にならないと評価が出来ないという意味合いである。

狭い通路で繋げられた迷路なのだが、壁面に変化が無い&種類が少ないオブジェクトが繰り返し大量に配置されているだけなので、目印が付けづらく構造の把握が困難である。記憶して動くというよりも迷っている内に偶然辿り着いてゴールといった感じになりがち。逆にアウトドアで追われるパートでは簡単過ぎて問題有り(正確には迷路では無いがゴールを探して逃げまわるというのは同じ)。

インドアパートでは、キラーはそれほど速くない(こちら側も短時間スプリントは可), 一撃死ではなく逃げれば自動回復する, 体の衝突判定が無いので突っ込んで行って回避(透過)も可能となっており、逃げる難易度はそれほど高くない為に難易度バランスとしてはまとも。チェンソー音を頼りにしながら逃げる恐怖感もそれなりに出ている。個人的には迷路内を逃げるという内容を採り入れるのならば、はるかに解り易い見た目や構造に変更して代わりにキラーの能力をアップさせる方が面白くなる様に思える。

以上の様な中身なので「単に迷路内を逃げ回るアクションホラーである」という点を理解してそれを面白いと感じる人以外は、今後のアップデートで記載通りの内容に変化したのを確認するまでは保留しておいた方が良いだろう。あるいは価格は120円と安いので見た目の雰囲気が気に入ったのならば今から支援するとかになる。

サウンドのボリューム, マウス感度, 明るさ調整等を含めて設定関連は何も無し。ESCを押下するとメニューに戻らずゲームが終わってしまうなどI/F関連も非常に原始的。ただしチェックポイントセーブは既に実装されている。

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Posted 22 August, 2023. Last edited 22 August, 2023.
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元は2017年にあるアドベンチャーゲーム・ジャムにて公開されて評判を得た作品。その後アップデートを重ねてフルボイス化されたりと拡張しているがフリーゲームなのは変わらず。2021年にSteamでもプレイ可能になった。

主人公がビジネスパートナーの家に訪問したところ、当の主はフクロウの頭部を持ったモンスター(悪魔)であった。同居している家人達もその異変には気付いているのだが、フクロウの当主の能力によって家から脱出する事が出来ない。そこで主人公は自らも含めて家から脱出する方法を探るというストーリー。

アドベンチャーゲームではあるのだが、ロケーションは3箇所だけでインタラクト出来るアイテム類も少しだけ。会話選択肢はあるが複雑な分岐をする訳では無しと構成は非常にシンプル。実質「脱出方法」を発見するだけというゲームであり、その謎解きに特に詰まらなければ20~30分程度の短編になっている。セーブスロットは10個でいつでも自由に行える。

システムの特徴はタイムループを採用している所で、失敗した際には完全に一からやり直しでは無く“第X夜”というカウントが+1され、また訪問時点に戻されて始めのセクションからとなるループ構造。だが主人公はこのループをゲーム内世界にて認識しており、それを利用して目的を達成するというタイプの謎解きになる。

ただどちらかと言えば謎解きのクオリティよりは、奇抜な敵のデザイン, グラフィックスの独特な味, 奇妙でシュールな雰囲気, 不気味なBGMが多数, 謎のイベント、と言ったユニークさによって知名度を上げたゲームであり、見た目の雰囲気を気に入ったという方にお勧めしたい。

日本語対応では無いが文章量は少ないし平易な内容なので英語に強い抵抗感を持っていないならば大丈夫だろう。
Posted 1 December, 2021.
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